「食べない」ダイエットにご用心!運動で「サルコペニア肥満」を防ごう
「サルコペニア」とは加齢による筋力の減少と体の機能低下
世の中のおじいちゃん、おばあちゃんは痩せている人が多いですよね。
この「痩せ」は歳をとることで筋肉が減ってしまうことが原因です。
このように加齢による筋量の減少とそれに伴う諸機能の低下をサルコペニア(sarcopenia)と言います。
ギリシャ語で「サルコ」が筋肉、「ぺニア」は減少を意味します。
筋肉の量は20~30歳ごろに最大となり、その後は緩やかに減少します。
80歳代では20代のほぼ60%程度になり、40%の筋肉は死滅してしまいます。
筋肉の減少に肥満が重なると「サルコペニア肥満」になる
筋肉の量が減少し、かつ肥満である状態を「サルコペニア肥満」と言います。
40代以上で徐々にサルコペニア肥満が増え始め、60代では5人1人(3人に1人はサルコペニア)、70代では3人に1人がサルコペニア肥満であるという研究結果が出ています。
サルコペニア肥満はメタボリックシンドロームと勘違いされやすいのですが、メタボの状態で、かつ筋力が低下した状態がサルコペニア肥満と考えればよいでしょう。
サルコペニア肥満はけがや生活習慣病のリスクを高める
筋量が減少し筋力が低下すると、日常生活での転倒が原因で大けがをする可能性が高まります(ロコモティブシンドローム)。
高齢者の転倒は寝たきりに直結します。
また筋量の減少は基礎代謝量の減少をも意味しますから、ますます体脂肪が増加しやすい体質になり、生活習慣病が発症しやすくなります。
実際普通の肥満に比べ、サルコペニア肥満の方が高血圧や糖尿病の発症リスクが高くなることがわかっています。
若者でも要注意!過度な食事制限ダイエットによるサルコペニア予備軍が増えている
高齢者の筋肉量が少ないのは加齢による当たり前の現象ですが、最近では若い人たちの間でもサルコペニア予備軍が増えています。
運動を伴わない過度な食事制限による誤ったダイエットが原因です。
いろいろなダイエット方法が流行っていますが、基本的には適切な栄養を取りつつ、適度なトレーニング(運動)を実施しなければ、健康的なダイエットはできません。
見た目は痩せていても、実は筋肉が減少し脂肪に置き換わってしまっている「隠れ肥満」が多いのです。
無理な食事制限は筋肉を減らし、脂肪を増やしてしまう
過度な食事制限をすると、生活に必要なエネルギーは糖質や脂質の分解だけでは足りず、タンパク質まで使われてしまいます。
タンパク質は主として筋肉が分解されて得られます。
つまり無理なダイエットを実施すると筋肉が減少することになるのです。
筋肉は身体内で最もエネルギーを消費する組織ですから、筋肉の減少によって身体活動のエネルギー消費量が減り、余ったエネルギーは脂肪として蓄積されます。
筋肉と脂肪が置き換わるという現象が起きるわけです。
女性は特に運動不足。筋肉量にも注意してサルコペニア肥満を防ごう
最近のデータによると女性の運動量は減少しており、また肥満の割合も減っています。
運動量が減少しているのに肥満が減少しているのは、女性の食事量の減少を意味していると考えられます。
運動不足の状態で食事を減らしてダイエットをしている現代女性は筋肉量が明らかに減少していますから、将来のサルコペニア肥満予備軍であり、サルコペニア肥満体質をコツコツ作り上げていることになります。
体重だけを目標にダイエットするのではなく、体脂肪率や筋肉量にも注意しなければなりません。
サルコペニア肥満を防ぐには有酸素運動が効果的
サルコペニア肥満の予防は、運動を取り入れたダイエットをすることです。
体脂肪の燃焼には有酸素運動が効果的です。
細切れでも構いませんので1日30分を目標に、ウォーキング、ジョギング、水泳などの有酸素運動を実施しましょう。
また筋力低下にはスクワットやかかと上げなどの簡単な筋トレが有効です。
- 株式会社ケッズトレーナー
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株式会社ケッズトレーナーは、一般の方々や多くのスポーツ選手の皆さんに、種々の障害の緩和や機能改善・向上を目的として、様々な角度から施術を実施しています。一人ひとりの患者様と寄り添い、スポーツマッサージを通して安心・笑顔・元気をモットーに日本全国で活躍中です。
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