減ったのは脂肪じゃなくて筋肉かも!?健康的にダイエットする2つの方法
ダイエットは「単に体重を減少させること」と考えてしまうと失敗します。
筋肉を減らさずに体脂肪を適切に減少させること、これが健康的なダイエットを実施するための基本条件です。
ここでは健康的にダイエットする2つの方法と基本的な考え方を説明します。
健康的にダイエットするための2つのゴールドスタンダード
健康的にダイエットをするには次の2通りの方法がスタンダードと言えます。
(1)有酸素運動などを利用し、直接脂肪細胞をエネルギー源とする日常生活の活動・運動量を増やすこと(消費エネルギーの増大)
(2)基礎代謝量や筋肉による発熱量を増やすために、筋トレなどにより筋量を増加させること(消費エネルギーの増大)
さらに日常生活の活動量に見合った適切な量とバランスを考えた食事を摂ること(摂取エネルギーの見直し)が必要です。これらを組み合わせればさらに効果の高いダイエットが期待できます。
ダイエットに必須!
大切な不等式「摂取エネルギー<消費エネルギー」
単に体重を減らすことを目的としたダイエットが氾濫しています。
理論的には体重を減らすことはいたって簡単で「摂取エネルギー<消費エネルギー」になるように努力すればよいのです。
体重は必ず落ちます。
しかし「○○だけで1週間に〇kg痩せる」などと簡便性を謳ったダイエットは健康に悪影響が出ることが多く、結果として体脂肪とともに筋肉も減少し、ダイエット前より悪い状態になることも多々あります。
危険!「食べずに痩せる」は体脂肪を増加させる
体重60kg、体脂肪率30%の女性が「食事制限のみ」のダイエットにチャレンジしたとしましょう。
2か月で10kgの減量に成功しました。体脂肪率は30%のままです。
喜んだのも束の間、その後徐々に体重が戻り60kgにリバウンドしてしまいました。
このときの体脂肪量と除脂肪体重(筋量の目安と考えてください)を調べてみると、「ダイエット前」から「ダイエット後」に体脂肪量も除脂肪体重も同じ割合で減っています。
除脂肪体重が減っている、つまり筋量も減っているわけです。
筋肉を鍛えることなく食事制限のみでダイエットをするとこのように筋量も減ります。
下の図を見てください。
ここで「摂取エネルギー=消費エネルギー」の状態を維持できれば体脂肪率30%、体重50kgを保つことができます。
しかし食事量がちょっと増えたり、さらに運動不足や日常生活の中での活動量がさらに減ったりすると「摂取エネルギー>消費エネルギー」となり、体重は増えリバウンドします。
しかもその場合は運動不足ですから、筋量(除脂肪体重)は増えず体脂肪量だけが増加します。
図の「リバウンド後」の状態、つまり体脂肪率42%というダイエット前よりも除脂肪体重が減少し、体脂肪の多い「不健康」な状態になってしまうわけです。
体脂肪が女性にもたらす恐ろしい病気とは
体脂肪率が増えるといろいろと困ることが起きます。
生活習慣病と言われる一連の病気のリスクが高まるのです。
その代表例としては動脈硬化にともなう高血圧、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)、糖尿病や脳血管障害などなど。
女性の場合には月経不順や不妊症、乳癌の危険因子にもなりえます。
発汗量の増加による悪臭、肌荒れなどを伴うことも多く考えただけでもぞっとします。
減ったのは脂肪じゃなくて筋肉!?食事制限ダイエットの落とし穴
ダイエット中、エネルギー源として体脂肪のみを消費してくれると都合がいいのですがそうはいきません。
体脂肪組織は人間が進化の過程で飢餓状態への対策として、体内にエネルギーを蓄えるために作り上げた大切な仕組みです。
食事制限によってエネルギー不足の状態をつくっても、備蓄用の体脂肪(白色脂肪細胞)はちょっとずつしか使われません。
不足分は、食事制限中で糖質も不足していますので、筋肉が分解されてエネルギー源として使われます。
運動不足の状態では筋肉はあまり使われません。
エネルギーの消費者である筋肉を減らすことで、エネルギー不足の状態を少しでも解消しようとするわけです。
食事のみのダイエットでは筋肉も消費されてしまうことになります。
体脂肪1kgのエネルギー量は7200kcal!
ここで基本的なことを覚えておきましょう。
脂肪1gは約9kcalですが、体脂肪の場合、その20%が水分と結びついているために、実際の体脂肪1gあたりのエネルギー量は、
約9kcal×80%=9×0.8=7.2kcal
で約7.2kcalとなります。
したがって体脂肪1kgは7200kcalになります。
体脂肪1kgを減少させるには、上で述べた不等式を考えると、摂取エネルギーよりも消費エネルギーを7200kcalだけ大きくしてやれば良いことになります(ただしマイナス部分はすべて脂肪燃焼にのみ使われた場合です)。
脂肪はエネルギー物質。だから運動で消費できる
健康的なダイエットとは筋量を減らさず体脂肪の減少を目指すことです。
ただこの場合も基本的には「摂取エネルギー<消費エネルギー」の状態をつくらなければならないことに変わりはありません。
体脂肪を減らすためには、体脂肪をエネルギー源として消費してやれば良いわけです。
体脂肪はからだの中では白色脂肪細胞として、皮下脂肪や内臓脂肪といった形で存在しています。
運動などより多くのエネルギーが必要な活動をしてやれば、自然と体脂肪は分解され消費されます。
運動しないと体脂肪は消費できないと思われがちですがそんなことはありません。
安静時でも体脂肪は消費されています。
一般的に安静時では糖質よりも脂肪の方が使われています。
だからこそ健康的なダイエットの一つの手段として、基礎代謝量を増やすことが取り上げられるのです。
- 株式会社ケッズトレーナー
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株式会社ケッズトレーナーは、一般の方々や多くのスポーツ選手の皆さんに、種々の障害の緩和や機能改善・向上を目的として、様々な角度から施術を実施しています。一人ひとりの患者様と寄り添い、スポーツマッサージを通して安心・笑顔・元気をモットーに日本全国で活躍中です。
http://www.ks-trainer.co.jp/
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