ブラボーランニング(2)
ウォーミングアップって必要?
目次
ダイエットから記録更新まで!
ランニングウエアに身を包み、お気に入りのシューズに履き替え、「さあ、走ろう!」。
しかしちょっと待った!
走り始める前にやっておくべきことがあります。ウォーミングアップです。
「ラン」の前にウォーミングアップをするのは、もう当たり前になっている人も多いでしょう。
膝の屈伸運動やアキレス腱を伸ばしたり、人によっては肩や首を回したり・・・。ところでウォーミングアップは本当に必要なのでしょうか。
水たまりや道路の凸凹。予想外の動きも多いランニング
普段の生活で、急に重いものを持ち上げようとして腰を痛めたり、電車に乗り遅れまいと急に走り、足首や膝をケガしたりしたことはありませんか?
これらの傷害は、からだの準備が十分にできていない状態で、急激に関節や筋肉に大きな力が加わることによって生じます。
ひどい場合には筋肉が切れてしまったり、関節が外れてしまったりすることさえあります。
こうしたケガや痛みを防ぐには、事前に予行練習をしておくことです。
もちろん日常生活での突発的な出来事には予行演習をするヒマもなければチャンスもないでしょう。
しかし「ラン」を始める前にはそれなりの時間があるはず。その予行演習こそがウォーミングアップです。
水たまりや障害物をよけたり、道路の凸凹への対応、車や自転車・子どもの飛び出しなどで大きな動きが必要になったりした時でも、からだを温めておけば、各関節をスムーズに大きく動かすことができます。安心して走れます。
冷えたからだで運動することがケガのもと
ウォーミングアップは主として体温を高めることを目的としています。
冷えたからだで運動すると、ケガをしやすくなるからです。
体温を上げると、関節の可動域(関節の動く範囲)が広がります。
お風呂から出た後で柔軟体操をすると、普段よりもからだが柔らかくなったと感じたことはありませんか?
入浴後の柔軟体操は効果抜群です。
もちろんからだが冷えてしまえば元に戻ってしまうのですが、繰り返すことで柔軟性は高まります。
ランの前に体温を高めておけば、足首や膝、股関節の柔軟性が高まり、スムーズに走ることができるようになります。
ウォーミングアップは、呼吸や汗の調節に大切な交感神経の準備にも役立つ
私たちのからだには、筋肉のように自分の意思で動きをコントロールできる組織と、自分の意思では自由にできず、無関係に調節されてしまう組織があります。
たとえば心臓の動きの速さの調節は自分の意思ではできません。
運動すると自然に心臓の動きは速くなりますし、休んでいるといつの間にか元に戻っています。
この心臓の例のように、意思とは無関係にからだをコントロールする仕組みの中枢が自律神経です。
ランのような運動をするときには、自律神経のうち交感神経が働きます。
この交感神経の働きで心臓が速く動いたり、血液がスムーズに流れるようになったりします。
血圧や呼吸、汗の調節も交感神経が深く関わっています。
ランの前にウォーミングアップをすることで、自律神経、特に交感神経の準備が整い、運動するのに適した状態をつくることができます。
急に体調が悪くならないようにするためにもウォーミングアップをするようにしましょう。
走る前に身体と神経の働きを高めることは記録向上の必須条件
大会や記録会などでタイムの短縮を目指すような場合には、是非とも入念なウォーミングアップをして下さい。
丁寧なウォーミングアップは記録向上のための身体条件を整えてくれます。
関節可動域が大きくなることで歩幅も広がりますし、快適で流れるような動作も実現できます。
また体温や神経系の働きも高まるため、血液循環がスムーズになり酸素も効率よく供給され、より快調な走りが実現できるでしょう。
ウォーミングアップにオススメなのは動的ストレッチ
では具体的にはどのようウォーミングアップするのが良いのでしょうか。
お薦めなのは皆さんもよくご存知のストレッチです。
ところでストレッチには何種類かあるのですが、代表的な分け方として「静的」ストレッチと「動的」ストレッチがあります。
静的ストレッチは、文字通り「静止して、静かに、じわっと少しずつ」筋肉を伸ばす方法です。関節可動域の拡大にとても効果を発揮します。
動的ストレッチは関節をリズミカルに動かしながら曲げ伸ばしをするストレッチです。
筋肉の動的な運動を伴うことから体温の上昇や神経系の準備に高い効果を発揮します。
ラジオ体操などをイメージするとよいでしょう。サッカーで有名なブラジル体操も代表的な動的ストレッチです。
これから走ろうとする場合には、部分的には静的ストレッチで準備運動をし、徐々に動的ストレッチで体温をあげていくのが普通です。
からだが冷えている時の静的ストレッチは注意しましょう
気温が低い時やからだが冷え切っているときに、ウォーミングアップでいきなり静的ストレッチから始めるのは考えものです。
ストレッチの主な目的は関節可動域を広げること。
筋肉が冷えた状態で静的ストレッチをしても、からだが固まってしまっていて効果を出すのは難しく、かえって筋肉を傷める原因にもなりかねません。
寒い日には室内でからだを温めてから静的ストレッチをするとか、軽いジョギングや動的ストレッチで少しでも体温をあげてから、静的ストレッチでしっかりと可動域を広げるのが正解です。
ただし寒い中であまり長時間の静的ストレッチを続けると、からだが冷えちゃいますのでほどほどにしましょう。
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