ブラボーランニング(5)ランと食事のタイミング

ランと食事のタイミングの画像
ランと食事のタイミングの画像

ブラボーランニング(5)

ランと食事のタイミング

ダイエットから記録更新まで!

食後に走ってわき腹が痛くなったことはありませんか?
じつは、食後の運動でおなかが痛くなる原因ははっきりとはわかっていないのです。ただ、実際に痛くなる事が多いのも事実です。
では腹痛防止のためには、食事前に走った方がよいのでしょうか?

食前・食後のランにはそれぞれにメリット、デメリットがあります。
今回は食事のタイミングとランとの関係について取りあげます。

食後のランのメリットは余分なエネルギーが消費できること

食後のランのメリットは、食事の余分なエネルギーを運動によって消費できる点です。
余分なエネルギーはそのままにしておくと、糖質であろうとたんぱく質であろうと体脂肪に変わってしまいます。
放っておくとどんどん増え、体脂肪率も増加して不健康なからだになってしまいます。
ダイエットのためには余分なエネルギーを運動で燃やすのが一番。
食べすぎてしまったら、食後のランで消費しておけば安心ですね。

長距離走や負荷の高いトレーニングは食事の後がオススメ

食事をすると血糖値が上がります。これは摂取した糖質が血液中を流れるためです。
ランニング中に使われる筋肉は、血液から栄養素を吸収しエネルギーとして消費します。
食後は栄養が十分な状態ですので、エネルギーは豊富、また脳にも十分な栄養が運ばれているために集中力も高く快適なランにつながります。
長距離走やトレーニングの質を上げたい場合も、食事をしっかりと摂った後の方が良いでしょう。

逆に空腹のときには血糖値はやや低く、この状態で長時間激しい運動をすると低血糖状態になり、ひどい時にはめまいや意識がもうろうとすることもあります。
あまりにも空腹な時には、チョコレートやバナナなどをちょっと口にして運動するのがお薦めです。

食後のランで起こる腹痛の原因は、まだはっきりとはわかっていない

食後のランには上記のようなメリットがありますが、問題になるのは腹痛です。
この痛みがなぜ起こるのかは実ははっきりとわかってはいません。
大腸内のガスがランニングによって動かされ、神経を刺激して痛くなる場合や、消化管に集まっていた血液が運動中の筋肉へと分散され、酸素不足になって胃や腸がけいれんを起こす場合など、さまざまな原因が考えられています。
痛みの場所や度合いもランナーによって様々。
ただ、確実に言えることは食事直後のランでは腹痛が起きやすいという事実です。

食事直後に走るのはやめておいた方が無難

また、食事直後に走ることで気持ちが悪くなったり、みぞおちのあたりが痛くなったりすることもよくあります。
食後の胃は食物の重さによってお腹の内部で、振子のようにぶら下がっている状態。
そんなときにランニングをすると、振子が振れるように胃が揺さぶられ、引っ張られます。
みぞおちのあたりが痛くなったり、気持ちが悪くなって吐き気をもよおしたりするのは、こうした胃の振子運動が原因の場合が多いようです。
食事直後に走るのはやめておいた方が無難ですね。

食後、どのくらいの時間を空ければよい?

それでは食後、どのくらいの時間を空ければよいのでしょうか。
一般的には2時間と言われていますが、1時間ほどで大丈夫だという人もいれば、私の友人などは30分ぐらいで走りに出かけます。
もちろん食物の種類や食べる量にもよるのでしょうが、どれだけ時間を空ければ良いかは、人によって千差万別、一概には言えないようです。
主として食後のランを楽しもうと考えている人は、自分に合った時間間隔を見つけるのが大切。いろいろと試してみて下さい。

空腹時のランは脂肪燃焼効果大!ダイエットに効果的

食事前つまり空腹時のランのメリットは、ランのエネルギー源として体脂肪が使われやすいということです。
たいていの場合食前は血液中に流れる糖質がやや低い状態になっています。
ランを始めるとエネルギーとして血液中の糖質が使われますが、量が少なく不足するので体脂肪も分解され、エネルギーとして消費されやすい状態になります。
体脂肪が消費されれば健康的なダイエットにつながります。
美容のために走っている人たちにとっては食事前のランの方が脂肪の燃焼効率が高まり、効果的でしょう。

食前・空腹時のランの注意点

一方、食前のランのデメリットはめまいや貧血を起こす恐れがあることです。
ここまでにご説明した通り、食事の前は血糖値がやや低く、貯蔵されている糖質も少ない状態。
激しい運動をすると低血糖になってしまい、ひどい場合にはランニング中に倒れてしまうことも考えられます。
特に早朝で食事をせずに走るときには、走る距離や時間にもよりますが、肝臓に蓄えられている糖質も一晩の間に減っていて低血糖になりやすい状態です。
場合によっては多少の栄養補給をしてから走る方が安全でしょう。

過度な空腹時のランは要注意。筋肉がエネルギー源になってしまうことも

さらにあまりにも空腹な状態でのランは、糖質の代わりに筋肉が分解され、エネルギー源として使われてしまうこともあります。
ランによってせっかく良い筋肉をつくっても、その筋肉を減らしてしまっては、元も子もありません。
パフォーマンスも低下し、タイムも悪くなってしまいます。
過度な空腹のときには軽い食事を摂ってから走るか、ランを控えるようにしましょう。

ランニングに関するおすすめ記事

正しく理解して即実行!有酸素運動のダイエット効果
ウォーミングアップでこれだけはやってほしいストレッチ10種
ランニングのスピードをあげる練習(1)ウインドスプリント

profile_takanashi

アドバイザー

高梨 泰彦

YASUHIKO TAKANASHI

株式会社ケッズトレーナー 企画室 室長

logo_ks_yoko
株式会社ケッズトレーナー

株式会社ケッズトレーナーは、一般の方々や多くのスポーツ選手の皆さんに、種々の障害の緩和や機能改善・向上を目的として、様々な角度から施術を実施しています。一人ひとりの患者様と寄り添い、スポーツマッサージを通して安心・笑顔・元気をモットーに日本全国で活躍中です。

http://www.ks-trainer.co.jp/

この記事をシェア