ブラボーランニング(9)
疲労回復に効くお風呂の入り方
目次
ダイエットから記録更新まで!
ランのあとに入るお風呂やシャワー、気持ちいいですよね。
入浴方法を工夫することで疲労の回復はとても早まります。
疲れを早く取るなら熱めのお湯、リラックスしたいときは低めのお湯。そして特に疲労が激しいときには「温冷交代浴」がおすすめです。
今回はランの疲れをとるためのお風呂のお話です。
入浴の3つの効果
(1)温熱効果
お風呂に入ると顔や体幹、指先やつま先まで赤くなります。これは血行が盛んになったからです。
湯ぶねの中ではお湯の影響でからだが温められ、血管が拡張して血流が盛んになります。
さらに毛細血管も広がり全身の隅々にまで血液がいきわたるようになります。
すると運動による老廃物が一掃されますので、疲労回復につながるわけですね。
(2)水圧効果
お湯につかっているときにはあまり感じませんが、私たちはお湯から大きな水圧を受けています。
首までつかった場合、合計約500kg以上の重さを受け止めており、ウエストあたりでは数cmも細くなるほどです。
水圧はからだの表面だけでなく皮膚を通してからだの内部、筋肉や内臓まで影響します。
これはちょうどお湯によってマッサージを受けているような状態。
結果として血液だけでなくリンパの流れも促進し、からだの中の循環機能を活性化させてくれますし、肝臓や膵臓の働きもよくなります。
(3)浮力効果
水に入るとからだが軽く感じます。これは水から浮力を受けているからです。
湯ぶねの中での体重(水中体重)は個人差もありますが、だいたい陸上の10分の1以下。
普段からだを支えている太ももやふくらはぎ、お尻や背中の筋肉がお風呂の中ではリラックスできます。
ゆっくりと入ることで肩こりや筋疲労の回復に役立つわけです。
目的に合わせてお風呂の温度を変えよう
実際にお風呂の温度は何℃ぐらいが良いのでしょうか。
実は目的によって最適なお風呂の温度は異なってきます。
早く疲労をとりたい時のお湯の温度は40~42℃以上
ランのあとで早く筋肉の疲労をとり除きたいときには、高めの温度、すなわち40~42℃以上の熱いお湯での入浴がおすすめです。
この温度になると自律神経のうち交感神経が活発に働きはじめ、新陳代謝が盛んになります。
呼吸や発汗作用も高まって、疲労の原因となる老廃物も速やかに排出されていきます。
この湯温での入浴は疲労回復にはもってこいなのですが、寝る直前はやめておいた方が無難です。
交感神経が優位になってしまうため、気持ちが高ぶりなかなか眠れなくなります。
心や体をリラックスさせたい時のお湯の温度は38℃前後
トレーニングのあとで心やからだをリラックスさせたいことも多いと思います。
そんなときはやや低めの温度、38℃前後ぐらいで入浴しましょう。
この温度では自律神経のうち、副交感神経が優位に働きます。副交感神経は心とからだのリラックスに影響する神経です。
入浴は20~30分ぐらいかけ、ゆっくりとからだを温めるようにしましょう。
20分というと結構長い時間です。
長湯が苦手な人は途中で頭を洗ったり、からだを洗ったりして、湯ぶねにつかることと洗い場に出ることを何度か繰り返すと良いでしょう。
最近ではお風呂の中で音楽を聴くことができるプレーヤーやテレビも出てきました。
入浴剤やアロマなど、お風呂で香りを楽しめるグッズもあります。
リラックスしながらランの疲れを癒しましょう。
疲労が激しいときには「温冷交代浴」
ランによるトレーニングで、特に疲労が激しいときのおすすめの入浴方法があります。
「温冷交代浴」です。
温冷交代浴は、簡単に言うとお湯につかるだけでなく、シャワーを利用して冷たい水をかける入浴方法。
普通の入浴以上に自律神経を刺激し、血管の収縮作用を利用してより血行を盛んにすることができます。
熱いお湯に入ると血管は拡張します。逆に冷たい水を浴びると血管は収縮します。
拡張と収縮を交互に行うことで血管のポンプ作用が活発になり、血流がよくなるという仕組みです。
またシャワーの水圧によるマッサージ効果も狙うことができます。
温冷交代浴はトップアスリートなども行っています。
最近ではリオデジャネイロオリンピックの選手サポートセンターでも行われていた方法で、疲労回復法として注目され、研究も進んでいます。
温冷交代浴のやり方
では具体的な温冷交代浴の方法を紹介しましょう。
(1)40℃前後のお湯に1~2分ほどつかる
(2)湯ぶねから出たら30秒~1分間、シャワーで膝から下に水をかける。
(3) (1)(2)を数回繰り返す。
最後は必ず水浴で終わるようにしましょう。
水浴で終わることで身体の表面温度が低下し、一時的に毛穴や汗腺が閉じます。
すると温浴で温まったからだが冷えにくくなり、血流の良い状態が継続し、ポカポカ状態も長続きします。
シャワーで水を浴びるときには水勢を強めにしましょう。
マッサージ効果を得ることもできますし、足裏にシャワーをあてることでツボの刺激効果も期待できます。
温冷交代浴は合計で10~12分で十分です。
18分の交代浴と比較した研究がありますが、12分間の方が疲労回復に役立ったという結果でした。
またお湯の代わりにサウナを利用する方法もあります。
ただしその場合には5分程度はサウナに入り、十分にからだを温める必要があります。
高血圧や心臓等に疾患のある方は温冷交代浴は控えてください。
さらに食事の直後も食べ物の消化吸収のために血流配分が変化していますので入浴は禁物。お酒を飲んだ後もやめておきましょう。
疲労回復の一番の近道は入浴+質の良い睡眠
ランの疲れを取るためには質の良い睡眠も重要です。
そのためには入浴は入眠の1時間以上前には済ませるようにしましょう。
夜の遅い時間の入浴には、お湯の温度は低めがおすすめ。
副交感神経が優位になることで、入浴後スムーズに睡眠に入ることができるからです。
ランでがんばった日は、ぬるめのお風呂に入ってリラックス、深い眠りにつくことが疲労回復の一番の近道です。
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