ブラボーランニング(12)
ランニング中の呼吸法
目次
- 1 ランニング中の呼吸法
- 1.1 ランニングは有酸素運動。だから運動中に必要なのは酸素
- 1.2 「スッ、スッ、ハッ、ハッ」が一番効率が良いわけではない
- 1.3 ベストな方法は自分が最も楽に感じる呼吸法
- 1.4 深い呼吸で酸素を効率よく取り込む
- 1.5 新鮮な酸素をたくさん吸うためには「吐く」事が重要
- 1.6 息苦しさの原因は二酸化炭素を排出できていないから
- 1.7 二酸化炭素がたまるとからだが酸性になってしまう
- 1.8 最適な呼吸法はランニングのペースによって違う
- 1.9 ランニング中は鼻呼吸と口呼吸どっちが良い?
- 1.10 「吸うときには鼻から、吐くときには口から」が最も一般的
- 1.11 日常生活でもランニング時の呼吸法を試してみよう
- 1.12 ランニングに関するおすすめ記事
- 2 高梨 泰彦
ダイエットから記録更新まで!
ランニングを続けていると、息苦しくなることがよくあります。特にスピードを上げると、急に苦しくなるものです。
ランニングのときの呼吸の方法、誰もが一度は悩みます。
どのように呼吸するのが良いのでしょうか。今回はランニング中の呼吸のしかたについて取りあげます。
ランニングは有酸素運動。だから運動中に必要なのは酸素
皆さん、「有酸素運動」ということばをご存知ですよね。
文字通り呼吸をしながら上手に酸素を取り込み、リズミカルに長時間続けられる運動のことです。
有酸素運動の代表的なものはウォーキング。他にも水泳、自転車、エアロビックダンスなどいろいろあります。
そして、もちろんランニングも有酸素運動。しかもエネルギー消費の面から見るととても優れた有酸素運動で、ダイエットにはとても効果があります。
有酸素運動というからには、運動中に必要になるのは酸素です。
私たちのからだは酸素を使って栄養素を燃やしエネルギーをつくっています。ランニングの最中も同様です。
ですからいかに効率よく酸素を取り込むかはとても重要。
良い呼吸法とは酸素を効率よく取り込む呼吸のしかたと言えます。
「スッ、スッ、ハッ、ハッ」が一番効率が良いわけではない
小学校や中学校の体育の授業で「ランニングのときには脚を運ぶリズムに合わせて、吸って、吸って、吐いて、吐いて、と呼吸をしなさい」と教えられた経験はありませんか。
このランニングのペースに合わせた(または腕の振りに合わせた)「スッ、スッ、ハッ、ハッ」の呼吸リズムは、「2拍子のリズム」と言います。
ランニング1歩に対して吸うかまたは吐きますので、2拍子の呼吸のリズムは4歩でワンサイクルということになります。
2拍子のリズムは、子どもたちにわかりやすく、実行しやすいからということで便宜的に学校現場で教えられているにすぎません。
実際には必ずしもこの呼吸法が一番効率的、というわけではありません。
ベストな方法は自分が最も楽に感じる呼吸法
ではどのような呼吸法が良いのでしょうか。結論から言うと、ベストな方法は自分が最も楽に感じる呼吸法です。
呼吸法のリズムには2拍子のほかに3拍子、4拍子などがあります。
またそれぞれの応用として吐くときには長めに息を吐き、吐く回数を減らすこともあります。
例えば2拍子の呼吸方法のときに吐く回数を減らし「スッ、スッ、ハーー(2歩分の長さで吐く)」と大きく強く1度だけ吐きます。
3拍子や4拍子でも同様です。自分にどのような方法が良いかを、ランニングのトレーニング中に試してみるのが良いでしょう。
深い呼吸で酸素を効率よく取り込む
酸素を多く取り入れるためには深い呼吸をする必要があります。
浅い呼吸では肺の中に吐き切ることができなかった空気が多く残っています。
残っている空気の量を「残気量」と呼びますが、この残気量を少なくできるような深い呼吸をすることが大切。
残気の中には二酸化炭素など不要な空気がたくさん残っており、これらを吐き切ることで新鮮な酸素をたくさん吸い込むことができ、結果的に酸素を効率よく取り込むことができるようになるからです。
新鮮な酸素をたくさん吸うためには「吐く」事が重要
深い呼吸をするためには、実は大きく強めに「吐く」ことが重要です。
「吸う」ことに注意がいきがちですが、人間の呼吸は吐くことに連動して吸う行為が生じます。
また上でも説明した通り、できるだけ新鮮な酸素を多く取り込むためには残気量を減らす必要があります。
そのためにも大きく吐くことが重要。意識的に大きく強めに「吐く」ことで、深い呼吸をマスターしましょう。
息苦しさの原因は二酸化炭素を排出できていないから
ランニング中に息苦しくなるのは、酸素が効率よく取り込めず、からだ全体に酸素不足が生じるからです。
さらにもう一つ理由があります。それが二酸化炭素です。
前にも説明した通りランニング中は、酸素と栄養素を使ってエネルギーが絶え間なくつくられているのですが、その副産物として二酸化炭素も産み出されます。
二酸化炭素は老廃物です。たまりすぎると血液が酸性になり身体に悪影響を及ぼします。
皆さん、ちょっと頑張って息を止めてみて下さい。苦しくなって息こらえをやめた瞬間にどうしますか?
息を「吸う」のではなく息を「吐き」ませんか。つまり息を止めて苦しくなる原因は、息を吐けないから、すなわちたまった老廃物の二酸化炭素を吐けないからなのです。
二酸化炭素がたまるとからだが酸性になってしまう
人間のからだはほぼ中性に保たれていて、酸性やアルカリ性に傾くと大変まずい状態になります。
ランニング中は運動の影響でどんどん二酸化炭素がつくられます。
放っておくと二酸化炭素がたまりからだが酸性になってしまいます。
しっかりと息を「吐く」ことで、二酸化炭素が効率よく排出され、からだの内部環境が正常に保たれます。
こうした理由からも、強く大きめに「吐く」ことが大切になります。
最適な呼吸法はランニングのペースによって違う
呼吸のリズムはランニングのペースによっても異なってきます。
一般的にはゆっくり走るときには4拍子、つまり「スッ、スッ、スッ、スッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」がよいといわれています。
スピードを上げるにしたがって3拍子から2拍子になり、さらに強く吐くことが求められるようになり「スッ、スッ、ハーー」という2回吸って大きく1回吐くというリズムになる人が多いようです。
皆さんの場合はどうでしょうか。ペースを変えて走りながら、自分に最適な呼吸法を見つけてください。
ランニング中は鼻呼吸と口呼吸どっちが良い?
ランニングの呼吸は鼻を使った方が良いのか(鼻呼吸)、口が良いのか(口呼吸)ということもよく話題になります。
一般的に鼻から空気を吸った方が良いのですが、その理由は鼻毛によって空気中の菌や塵などを取り除くことができること、喉の乾燥が防げること、などがあげられます。
ですから吸うときには鼻からの方が良く、一方吐くときには口から吐いた方が、腹式呼吸になりやすく、大きく強めに吐くのにも都合が良いようです。
「吸うときには鼻から、吐くときには口から」が最も一般的
ということで「吸うときには鼻から、吐くときには口から」が最も一般的と考えられます。
事実そうしたランナーが多いのですが、鼻呼吸が苦手だという方もいらっしゃると思います。もちろんそうした場合には口呼吸でも構いません。
しかし口呼吸で1時間、2時間と走っていると、喉が乾燥しヒリヒリしてくることもあります。
長時間の口呼吸はなかなか大変、そんな方は是非一度耳鼻科に行き、鼻呼吸が難しい原因を確かめておきましょう。
意外と簡単に治るものです。
日常生活でもランニング時の呼吸法を試してみよう
ランニングの呼吸法は実際の日常生活の呼吸法とは異なります。
ランニングのときにスムーズに呼吸するためには、日常生活でもたまにはランニングのときと同じような呼吸をしてみることも大切です。
大きく息を吐き、新鮮な空気をたくさん吸うと気持ちもさわやかになります。
おすすめなのは「腹式呼吸」。息を吐きだすときにはおへそから鳩尾のあたりに力を入れ、お腹を凹ましながら空気を絞り出すようにしましょう。
また息を吸うときには胸からお腹のあたり全体に空気を入れるような気持ちで膨らませるようにします。
体幹全体を使って呼吸をすることで、ランニングのときにも同じような腹式呼吸ができるようになります。是非試してみて下さいね。
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- 株式会社ケッズトレーナー
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株式会社ケッズトレーナーは、一般の方々や多くのスポーツ選手の皆さんに、種々の障害の緩和や機能改善・向上を目的として、様々な角度から施術を実施しています。一人ひとりの患者様と寄り添い、スポーツマッサージを通して安心・笑顔・元気をモットーに日本全国で活躍中です。
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