初マラソンでサブ4に挑戦!「距離走」でサブ4のレースペースとスタミナを身につける【レッスン17】

「距離走」でサブ4のレースペースとスタミナを身につけるの画像
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<鍛錬期2>レースに耐えるスタミナをつけよう

「距離走」でサブ4のレースペースとスタミナを身につける【レッスン17】

初マラソンでサブ4達成プロジェクト

マラソンを走るにはスタミナが必要です。
スタミナとは「持久力」のことで、長時間一定の負荷に対して動作を維持する能力を言います。
フルマラソンを走る際にはこの能力がとても大事になってきます。
サブ4のレースペースで長時間走り続けるスタミナを身につけるために、20~30kmをレースペースで走る「距離走」というトレーニングを行いましょう。

距離走とはどんなトレーニング?

「距離走」とは、その名のとおり距離を走るトレーニングです。
長い時間・長い距離を走るトレーニングでは、以前ご紹介した「LSD」もあります。
この「LSD」と「距離走」の違いは、走る時間とペースです。
ジョギングよりもゆっくりのペースで90分~180分走る「LSD」に対して、「距離走」はマラソン時のレースペースで20~30kmの距離を走るトレーニングです。

LSD(Long Slow Distance)で持久力アップの画像LSD(Long Slow Distance)で持久力アップ

フルマラソンで4時間を切る「サブ4」を達成するためには、1kmを平均して5分40秒で走り続けなければいけません。
そのためには、1kmを5分30~40秒で走り進める「ペース感覚を養うこと」、そのレースペースで長く走り続ける「スタミナを養うこと」が必要です。
距離走はその2つを鍛えることができるトレーニングです。

距離走のスタミナアップ以外の効果

距離走は「ペース感覚が身につく」「スタミナアップ」といった走る能力の向上だけでなく、レースに向けた様々な準備ができるという利点があります。

たとえば、距離走ではレース本番を意識した給水の摂り方の練習を行うことができます。
レースでは5km毎に給水ポイントが置かれていることが多いため、練習でも5km毎に給水をとったり、走りながら飲む練習をしてみましょう。

また距離走を行なう前後のこともトレーニングの一環と考えることができます。
走る前の身体の準備や食事の摂り方、トレーニング後の疲労回復の仕方など、距離走を通して自分にあったレース前後・レース当日の過ごし方を見つけていきましょう。

フルマラソンでサブ4を目指す人の距離走のやり方

距離走で走る距離は20~30kmです。
初めから30kmをこなすのは無理があるので、20kmできたら25km、25kmできたら30kmと距離を徐々に伸ばして、レース1ヶ月前には25~30kmがしっかりと走れる脚を作っておきましょう。
走るペースは、サブ4を目指すのであれば1kmを5分40秒で設定します。
また、1km毎にペースを確認して、速すぎたり遅すぎたりすることなく一定のペースを刻む「ペース感覚」を養いましょう。

距離走前のウォームアップ

距離走は、長い時間走るため体力のいるトレーニングです。
ウォーミングアップで疲れてしまわないよう、体操・ストレッチを念入りに行い、距離走の初めの5~10kmをレースペースより少し遅く走ってウォーミングアップの代わりにしてもよいでしょう。
スタートからレースペースで走れないからといって、距離走の効果が減ってしまうことはありません。
安心して、落ち着いてペースを刻んでいきましょう。

ウォーミングアップでこれだけはやってほしいストレッチ10種の画像ウォーミングアップでこれだけはやってほしいストレッチ10種

距離走をやったあとのケア、クールダウン

走った後はしっかり水分を摂ってからゆっくり1km程度ダウンジョグを入れます。
その後、体操・ストレッチなどでゆっくり筋肉をほぐすクーリングダウンを行ないましょう。
お風呂やシャワーを浴びる前に、冷たい水や水風呂で脚の付け根の部分からアイシングをすると疲労が抜けやすくなります。
もし部分的に痛みを感じる場合は入浴後に氷のうを使って痛みがある部分をアイシングしましょう。

ランニング後のクールダウンの方法の画像ランニング後のクールダウンの方法

もしもの時の応急手当RICE(ライス)処置の画像もしもの時の応急手当RICE(ライス)処置

距離走を取り入れる頻度

1週間のトレーニングの流れの中で、週3~5回練習できているのであれば距離走は週1回いれましょう。
毎週毎週30km走るのではなく、隔週で今週は20km、来週は25km、再来週は20km、その翌週は30kmなど、距離に変化を持たせてオーバートレーニングにならないようにメリハリをつけて行なうとよいでしょう。
一人ではコース設定が難しかったりモチベーションを保てない場合は、ハーフマラソンや30kmレースを距離走として利用するのもよい方法です。

また、距離走は強度が高く疲労が溜まるトレーニングです。実践するのはレースの3週間前までにしましょう。

距離走で目標の距離や設定ペースがこなせない時

距離走は、距離を踏んでスタミナアップを図ることが目的です。
トレーニングを開始する前からレースペースで走ることに不安がある場合は、ペース設定を少し落として距離をしっかり走ってみてください。
もしレースペースで走り始めて途中で続かなくなった場合は、一旦止めて気持ちを切り替えて残りをジョギングしましょう。
脚などに痛みが出ている場合は、トレーニングを止めてアイシングなど身体のケアに努めてください。
途中で止めることは気持ちも落ち込みますが、そこまではしっかりと走れたという自信にして、次回行なう時のペース設定の参考にしましょう。

距離走では30kmくらいまでにとどめておく

40km走などフルマラソンに近い距離を走ることは自信にもつながりますが、故障やケガを引き起こすリスクも高くなるため、ここではあまりおすすめしません。
30km走でも設定したペースでしっかりこなすことで十分目標を達成できる力を養うことはできます。焦らず着実にトレーニングを行っていきましょう。

フルマラソン完走が目標でも距離走は必要?

一般的に、20km走れるようになっていればフルマラソン完走はできますので、レースペースを意識した距離走を行う必要はないでしょう。

完走が目標でも制限時間に注意

ただし、レースでは制限時間が設けられている場合があります。
ゴールタイムの制限だけでなく、途中の10kmや15kmなどに関門があり、指定時間以内に通過できなければリタイアになるレースもあります。
制限時間から逆算して、平均して1kmを何分で走り進めなくてはいけないかだけは頭において、自分の走るタイムをチェックしながらトレーニングを進めていく必要はあります。

また、ハーフマラソンのレースを目標にしている場合は最低12~15km走れるようになっていれば完走できます。
さらにトレーニングで20kmまで走れるようになっていれば、スタミナも十分備わってレースを迎えることができるでしょう。

スタミナがつくまでは20km・30kmと走り続けるのは大変ですが、レースで十分な力を発揮するためには実践に近い強度のトレーニングすることも大切です。
距離走をとりいれて、レースペースで長時間走り続けるスタミナとペース感覚を身につけ、レースでの自信につなげましょう。

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