<調整期>疲労を抜いてバネを貯めよう
フルマラソン挑戦3ヶ月前からの練習メニュー【レッスン18】
目次
初マラソンでサブ4達成プロジェクト
2017年4月16日(日)かすみがうらマラソンでのサブ4挑戦を目標にトレーニングを重ねてきたHappy OL達。
年明けからはいよいよレースまでのこり約3ヶ月となり、よりレースを意識したトレーニングを行ってきました。
今回は、初心者ランナーのHappy OLがサブ4に挑戦するために木村コーチが組み立てたレース前3ヶ月間の練習メニューと、ひと月ごとのトレーニングの位置づけや取り組み方を紹介します。
記録を目標にフルマラソンに参加する場合の3ヶ月間の取り組み方
レース開催日から逆算しての3ヶ月間はよりレースを意識したペース、レースに耐えるスタミナをつけるトレーニングの質と量をこなしていかなくてはなりません。
レースの2~3ヶ月前は強化する「鍛錬期」、そして1ヶ月前はそれまで頑張って強化してきた疲労を徐々に抜いて力を蓄える「調整期」として位置付けてトレーニングメニューを組み立てます。
レース直前に慌てて無理なトレーニングをして故障や疲労が残る状態で本番を迎えることがないよう、あらかじめ計画を立てて実践していきましょう!
期間 | 位置づけ | 目的、トレーニングの目標 |
---|---|---|
3ヶ月前 | 鍛錬期(1) |
スピード + 距離 LSDやロングジョグなど長い距離を走るトレーニングを入れつつも、スピード強化に比重をおいてトレーニングしていきます。 |
2ヶ月前 | 鍛錬期(2) |
距離 + スピード スピードトレーニングも入れつつ、距離走やLSDなど距離を確実に踏んでいく方に比重をおいて走りこみます。 |
1ヶ月前 | 調整期 | 質(スピード)を維持したまま、量(トレーニング)を徐々に落としていくことで疲労を抜いて、レースに向けてバネを貯めていきます。 |
サブ4に必要なスピードはどのくらい?
これまでにも紹介してきましたが、1キロを平均して5分40秒で走ると「サブ4」つまり4時間を切ることができます。
1キロ 5分30~40秒のペースに余裕を持つためには、それよりも速いペースでのスピードトレーニングメニューをこなしてベースを引き上げましょう。
スピードトレーニングはペース走、ビルドアップ走、インターバル走などがあります。
スピードトレーニング時のペースの設定の例を紹介します。
・6km~8kmのペース走(一定のペースで走る)
・ビルドアップ走(中盤から後半にペースアップ)
→5分10秒~30秒/km
・1km×3~5本のインターバル走
→5分00秒~10秒/km
サブ4に挑戦するために、レースの3ヶ月前までにやっておきたいこと
レースの3か月前からよりレースを意識したトレーニングを始めるにあたって、以下のような準備ができていると良いでしょう。
継続したトレーニング習慣が身についていること
レースに向けて急に頑張るのは肉体的にも精神的にもつらいので、準備期では練習量の大小問わず、日頃から定期的にトレーニング習慣を身につけていると良いでしょう。
最低でも週2~3日のトレーニングの実施、その結果鍛錬期前には6分~7分/kmで60分~120分走れる体力をつけられるといいですね。
LSD(Long Slow Distance)で持久力アップ
負担の掛からないランニングフォームの獲得
鍛錬期のトレーニングではスピードも距離においても質の高いトレーニングを積んでいくことになるので、効率の良いランニングフォームの獲得が重要です。
そうすることで故障のリスクを下げ、継続したトレーニングを実現させましょう!
筋力強化
走るトレーニングと並行して体幹、脚部といったように全身バランスよく筋トレを入れていきましょう。
そうすることで走る体力がつき、ランニングフォームも安定してきます。
ランニング女子にオススメ!女性コーチが厳選した体幹&筋トレメニュー
練習目標を無理なくこなすポイントは「1週間の流れ」を決めること
1週間のトレーニング計画例曜日 | 練習メニュー |
---|---|
月 | 休養日 |
火 | ジョグ |
水 | スピードトレーニング |
木 | ジョグまたは休養日 |
金 | 休養日 |
土 | ジョグ |
日 | 距離走またはLSD |
このトレーニング計画例では、1週間の流れで週に2回は強度の高いメニューをいれ、その前後を軽いジョギングや筋トレで間をつないでいきます。
強度の高いメニューとして、ここではスピードトレーニング・距離走を入れました。
もちろん週に2~3回の休養日や、身体の状態にもよりますが月2~4回は身体をケアする治療(マッサージ)を入れるとより良い状態を保てます。
週末しかトレーニングの時間が取れない場合
仕事の都合などで週末しかトレーニングの時間が取れない方は、土曜日にスピードトレーニング、日曜日に距離走またはLSDを行ないましょう。
また、短い時間(30~40分)でもいいので、できる限り平日にもジョグを入れましょう。その方が身体も楽ですし、月間走行距離も確実に伸ばせます。
サブ4挑戦3ヶ月前!
鍛錬期(1)の練習メニュー
曜日 | 練習メニュー |
---|---|
月 | 休養日 |
火 | ジョグ30~40分 |
水 |
スピードトレーニング 5~8kmビルドアップまたは1km×3~5本インターバル |
木 | ジョグ30~40分または休養日 |
金 | 休養日 |
土 | ジョグ30~40分+ウインドスプリント×3 |
日 | 15~20km距離走または80~120分LSD |
この時期の月間走行距離:月間150km前後
次の2ヶ月前鍛錬期(2)には月間200kmを目標に走るため、最低でも130~150km/月踏んで体力、筋力をつけておきましょう。
距離よりスピードを重視してトレーニングする理由
サブ4挑戦3ヶ月前の1ヶ月は、距離を踏みつつもスピード強化の方に比重をおきます。
初めからレースペースで長い距離を走ることは難しいもの。
レースペースに余裕を持てるようにするには、レースペースよりも速いペースのトレーニングで心肺機能と筋肉に刺激を入れて強化していく必要があります。
そのためこの時期はスピードを強化するトレーニングに力を入れて、距離を走る時はペースをあまり意識せずにじっくり走るようにしましょう。
この時期に注意すること
スピードアップにおいても、この後長い距離を走り進めていくことにおいても筋力強化が必要です。
走るトレーニング以外に普段から筋力・体幹強化のトレーニングも積極的に入れていきましょう。
サブ4挑戦2ヶ月前
鍛錬期(2)の練習メニュー
曜日 | 練習メニュー |
---|---|
月 | 休養日 |
火 | ジョグ40分+ウインドスプリント×3 |
水 |
スピードトレーニング 6~8kmビルドアップまたは2km×3インターバル |
木 | ジョグ60分または休養日 |
金 | 休養日 |
土 | ジョグ40~60分+ウインドスプリント×3 |
日 | 20~30km距離走または120分LSD |
この時期の月間走行距離:月間200km前後
この1ヶ月も週に1回のスピードトレーニングを入れながら、距離走においては20~30kmをレースペース前後のペースで走るトレーニングを実践していきます。
ここではレースペースを刻んでいくことでペース感覚をしっかりと養うこと、走りきるスタミナを養うことが目的です。
また長い距離を走る中で計画的に給水、補食を摂ることで、動きながら摂取することに内臓を慣れさせることもレースのシミュレーションとして役立ちます。
天候や体調に気を配りながらもどのようなものを摂取するといいか、自分に合うものをトレーニングの中で見つけていきましょう。
スピードより「距離」を重視してトレーニングする理由
この期間は距離を重視するとはいってもスピードトレーニングを疎かにするわけではなく、週に1回行なうことは変わりません。
ただ、距離走はペースを意識しないで距離になれることを目的とした前月から、この1ヶ月ではレースペースを意識し、かつ長い距離をしっかりと踏むことで強度が増します。
ここで前月強化したスピードを活かしながら距離を踏みましょう。
この時期に注意すること
トレーニング量、強度共に増えるため、疲労が溜まり免疫が落ちて体調を崩しやすくなります。
疲れを貯め過ぎないように身体のケアや睡眠、食事をしっかり取って体調を維持できるよう努めましょう。
前月同様に筋トレや体幹トレーニングは続けていきましょう。
サブ4挑戦1ヶ月前
調整期の練習メニュー
レースまで最後の1ヶ月は「調整期」になります。
レース3週間前まではこれまでと同様のトレーニングを行いますが、のこり3週間を切ったら疲労を抜くために徐々に強度を落としていきましょう。
曜日 | 練習メニュー |
---|---|
月 | 休養日 |
火 | ジョグ30~40分+ウインドスプリント×3 |
水 |
スピードトレーニング 6~8kmビルドアップまたは1km×3~5インターバル |
木 | ジョグ40~60分または休養日 |
金 | 休養日 |
土 | ジョグ40分+ウインドスプリント×3 |
日 |
レース2週間前は、15km距離走 レース1週間前は、10km距離走 |
この時期の月間走行距離:月間100~120km
調整期に入り、トレーニングの質はそのままで量を徐々に減らしていきます。
質というのは主に「ペース」(スピード)を指します。
1週間の流れも変えず、今まで距離走をしていた日の距離を半分以下に減らしていきます。
先に25~30km走を行なうのはレースの3週間前までで終えると解説しました。
それを最後の走り込みとしてレースの2週間前を15km、1週間前を10kmと距離を減らしていき、疲労を抜いていくことでレース本番に向けて調子を引き上げていきます。
「疲労を抜く」とは、鍛錬期のトレーニングで酷使した筋肉の疲労をトレーニングの量を落としていくことで徐々に取っていき、身体の余裕をつくることです。
レース3、4日前のスピード練習で本番に向けて刺激を入れよう
レース3、4日前に5km程度をレースペースより10秒ほど速いペースで走って身体に刺激を入れて本番を迎えます。
しかし、思うように疲労が抜けなかった場合は無理に速いペースで走らず、30分程度の軽いジョギングで調整しましょう。
- 株式会社ケッズトレーナー
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株式会社ケッズトレーナーは、一般の方々や多くのスポーツ選手の皆さんに、種々の障害の緩和や機能改善・向上を目的として、様々な角度から施術を実施しています。一人ひとりの患者様と寄り添い、スポーツマッサージを通して安心・笑顔・元気をモットーに日本全国で活躍中です。
http://www.ks-trainer.co.jp/
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