美肌になるとウワサのヒートショックプロテインってなんだ!?
「温活」といっしょによく出てくるキーワードに「ヒートショックプロテイン」(HSPや「熱ショックタンパク質」とも言う)があります。
美容や健康に悪影響のある低体温を防ぐ「温活」に欠かせないヒートショックプロテインにはどんな効果があるのでしょうか。
「温活」について知りたい人はこちらもお読みください。
「温活」は美肌とダイエットに効果的!食事と運動で体温を上げよう
みんなの「お助け物質」!ヒートショックプロテイン(HSP)とは
1974年に、ショウジョウバエを高温にさらすと、個体内に特別なタンパク質が発現することが発見され、「ヒートショックプロテイン」、略してHSPと名付けられました。
HSPは何種類もあるのですが、ここではその中で研究の進んでいるHSP70のことを取り上げます。
どんな生き物も種々のストレスの中で生きています。
ストレスによるダメージでからだが壊れてしまっては困るので、ストレスに対する防御やダメージを受けたタンパク質の修復を担当する物質がつくられます。これがHSPです。
つまりHSPは種々のストレスにさらされた時につくられる、言わば「お助け物質」と言えます。
HSPは免疫機能を高めてくれる
からだの中には、ばい菌やウイルスと戦ってくれる免疫機能があります。
HSPは免疫に関わるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を活性化したり、がん細胞と戦うキラーT細胞をサポートしたりするなど、免疫機能を高めます。
HSPを増やすことで病気にかかりにくいからだになるわけです。
脱老化!酸化から細胞を守りアンチエイジングを
人は必ず歳をとります。老化するわけです。
老化の過程の中で見過ごすことができないのが活性酸素の影響です。活性酸素は過剰に生産されると、その「酸化」作用によって細胞を痛めつけ老化を早めます。
「抗酸化」をうたったサプリメントがいろいろと発売されているのは、皆さんもよくご存知の通りですよね。
HSPにはこの痛めつけられた細胞(タンパク質やDNA)を修復してくれる働きがあります。
つまりHSPを増やすことができればアンチエイジングにとても効果があるわけです。
美肌に効果大!HSPは紫外線からからだを守ってくれる
紫外線はお肌の大敵です。シワやシミの原因になるからです。
紫外線から皮膚を守ろうとするために「メラニン」という物質がつくられるのですが、過剰につくられるとシミになります。
HSPはこのメラニン生産をコントロールしてくれるだけでなく、紫外線による炎症も防いでくれます。
HSPは美肌のためにも一役買ってくれるわけです。
お肌の強い味方。コラーゲンとも密接なつながりが
お肌の潤いやハリに関係するのがコラーゲンです。
このコラーゲンは紫外線に弱く、紫外線にあたるとコラーゲンを分解する物質が活性化され、コラーゲンの分解が進みます。
HSPにはこのコラーゲンを分解する物質の生産を抑える働きがあります。またHSP47と呼ばれるヒートショックプロテインは、コラーゲン生産のサポート役として重要な役割をはたしていることがわかっています。
お肌のシワやたるみの予防に大いに効果を発揮しているわけです。
コラーゲン配合の化粧品やサプリメントが売られていますが、これらのコラーゲンは、吸収され、からだの一部になることはほとんどありません。コラーゲン分子の大きさが大きすぎるからです。
お肌にはHSPがとても強い味方になります。
HSPはストレスによって生産される
HSPはストレスからからだを守る物質ですから、からだにストレスを与えてやれば生産されます。
ストレスの種類は何でもよく、細菌感染や炎症、活性酸素、紫外線、飢餓状態や低酸素状態、精神的ストレスでもオーケーです。
たとえば試験が近づいてくるとHSPがからだの中で増え始め、試験が終わると激減します。試験前には疲れているのに不思議と病気になりませんよね。
これは試験に対する精神的ストレスでHSPがつくられ、からだを守ってくれているから、と考えられます。
一方試験が終わると急に体調を崩すことがあるのはHSPが激減するからでしょう。
「熱」によるストレスがHSP増加に効果大
ところで最も効率よくHSPを増やすことができるのは、その名の通り「熱」によるストレスです。
医療機関によっては遠赤外線を利用して全身を加温し、HSPを効率よく発現させる「マイルド加温療法」があります。また自宅のお風呂を使ってHSPを増やすこともできると言われています。
しかしここでは、有酸素運動によるHSPの増やし方について説明しましょう。
1日30分!有酸素運動で美容と健康に効果UP
運動もある意味ではストレスです。したがって運動によってもHSPがつくられます。
動物実験の結果ですが、1日30分以上の運動でHSPが増加し、10分では増えませんでした。
運動の強さについては「ややきつい」と感じる程度の有酸素運動が良く、楽な運動ではHSPは増えないようです。
有酸素運動というとジョギングやウォーキングが代表的ですね。1日30分間、ちょっと汗をかくような運動して、HSPを増やしましょう。
美容や健康に効果があること請け合いです。
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