筋トレは有酸素運動にならないの?そもそも有酸素運動って何?
筋トレと有酸素運動は別のものなの?
具体的にどんなことをすれば有酸素運動なんでしょう。
運動経験は少ないけれど、健康やダイエットのために運動を始めたい方にとって、このような運動の分類はわかりにくいかもしれません。
筋トレは筋肉をモリモリつけたい人がやる運動で、有酸素運動はダイエットのための運動、というイメージを持っている方も多いのでは?
それぞれ間違いではないですが、あっているとも言えません。
筋トレと有酸素運動はいったい何が違うのでしょうか?
筋トレと有酸素運動の違い
まず筋トレというのはどのような運動を指しているのでしょうか。
おそらく関節運動に負荷をかけて筋力やパワーを強くするトレーニングをイメージする方が多いでしょう。
それに対して有酸素運動というのは、主に酸素を使って脂肪や糖質を分解する有酸素性のエネルギー代謝を利用する運動です。
筋トレが筋力増強を目的とするのであれば高い強度でトレーニングを行う必要があります。
そうなると無酸素性エネルギー代謝が主に使われることになるので、この場合筋トレは有酸素運動とは違う運動様式だといえます。
無酸素性のエネルギー代謝では主に糖質をエネルギー源として利用するため、運動で直接脂質を消費することはありません。
ただ「筋トレ=無酸素運動」なのかというと一概にそうとは言えません。
筋トレが有酸素運動になるかどうかは運動強度しだい!
その運動が有酸素運動なのか無酸素運動なのか、という点は運動の種類よりも運動の強度に左右されます。
低強度で長時間の運動であれば有酸素性のエネルギー機構が、高強度で短時間の運動であれば無酸素性のエネルギー機構がそれぞれ優位に作用します。
例えば「走る」という運動を見てみましょう。
マラソンのように瞬発的な動作はなく長時間、一定の強度で運動する場合は主に有酸素性のエネルギー機構を利用します。
それに対し100m走などの瞬発的に大きなパワーを要する運動では無酸素性機構からエネルギー供給が行われます。
どちらも「走る」という動作ですが、その強度が違うことによって利用されるエネルギー機構も変わるのです。
ですからウエイトトレーニングに代表される筋トレも、高重量の重りを使い強度を上げて行えば無酸素性機構からエネルギーを取り出します。
軽い負荷で回数や種類をこなし、長時間行えば有酸素性のエネルギー機構を使うことになるでしょう。
有酸素運動、無酸素運動を行うと筋肉はどう発達?
そしてそれぞれの運動に対する身体の反応も変わってきます。
有酸素運動を行えば心肺機能が強くなり、筋肉は持久力に優れた遅筋が発達します。
遅筋は鍛えても太くなりにくい筋肉ですので、脂肪が使われ筋肉は太くならないとなれば、身体は細くなるはずです。
強度の高い無酸素運動ばかりを行えば、強くて瞬発的な力が発揮できる速筋が発達し筋肥大が生じます。やり続けるとどんどん筋肉は大きく、太くなります。
無酸素運動は運動中に脂肪を消費することはありませんが、高強度のトレーニングで疲労した身体を回復させる際に有酸素性のエネルギー機構を使うので、結果的に脂肪の燃焼も促進します。
どちらのトレーニングでも最終的に脂肪は使われますが、大きな差は筋肉の発達の仕方にあらわれます。
トップクラスのマラソンランナーと短距離ランナーの体型を比較していただくとわかりやすいのではないでしょうか。
目的に応じた運動を選択しよう
その運動の目的は何でしょうか?
痩せることが目的であれば有酸素運動を中心にトレーニングプログラムを作るべきでしょう。
できるだけ代謝を上げて消費カロリーを多くしたいのであれば大きな筋肉を中心にたくさんの筋肉を同時に使う運動が良いでしょう。
ジョギングなどは有酸素運動の代表例ですが、スクワットやランジといった一見筋トレのようなメニューでも、強度を調整して長時間行うことが出来れば十分効果は期待できます。
しかし、強度の高いウエイトトレーニングも、脂肪を燃やすという意味では効果的なトレーニングです。
運動そのものではあまり脂質をエネルギー源として使わないかもしれませんが、その刺激は運動後の代謝を上げ、日常生活の中での脂肪燃焼をしばらくの間促進してくれます。
ただし、高強度のトレーニングは基本的には筋肥大を目標とするものですので、使った筋肉は大きく強くなります。
目的や理想に合わせて運動強度、運動時間などを調節していきましょう。
筋トレも有酸素運動になりうる!
以上のように、筋トレもやりようによっては有酸素運動として行うことができるのです。
筋トレの良いところは、効かせたい筋肉に狙いをつけてトレーニングできる点です。
有酸素運動として全体的に脂肪を減少させながら、特に引き締めたいところを狙って刺激することが出来ます。
ただ細くなるのではなく、メリハリの効いたきれいなラインを作るためには、ジョギングなどの全身を使った有酸素運動の中に、引き締めたい部分のウエイトトレーニングなどを少し入れてみると効果的です。
運動はジョギングだけ、という方もたまに低強度の筋トレを取り入れるのがオススメです。
同じ有酸素運動でも刺激の種類が変われば身体は新たな刺激に反応し、停滞気味だった運動効果も再び現れやすくなりますよ。
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