ダイエットの天敵!「増やしちゃいけない」悪玉脂肪って知っていますか?

ダイエットの天敵!「増やしちゃいけない」悪玉脂肪って知っていますか?

健康的なダイエットのポイントは、筋肉は減らさずに体脂肪を減らすことですが、脂肪には善玉と悪玉の2種類あることを知っていますか?
一度数が増えたらなかなか減らず、ダイエットの敵となる「白色脂肪細胞」について解説します。

脂肪には善玉と悪玉の2種類がある

ウエストを細くしたい、太ももが太くなってきた、ポッコリお腹を何とかしたい、など、ダイエットの理由は様々ですが、共通するのは「体脂肪を減らす」ことです。
体重を落とすだけならば絶食すれば済むことですが、そうすると筋肉まで減少してしまい、不健康な状態になります。
体脂肪を減らすことこそ健康的なダイエットのポイントです。

ところで体脂肪を構成する「脂肪細胞」は二種類あります。それぞれ「白色脂肪細胞」と「褐色脂肪細胞」と呼ばれます。
褐色脂肪細胞は熱を作り出すことで体温を維持したり、余分なエネルギーを燃やしてくれたりする、いわば「善玉」の脂肪細胞です。
厄介なのは白色脂肪細胞です。

脂肪には善玉と悪玉の2種類がある

からだのあちこちにある白色脂肪細胞

人間の進化は「飢え」との戦いでした。飢えを克服するために食べ物からとった余分なエネルギーを蓄えることができる脂肪組織を進化の中で獲得したのです。
この脂肪組織を構成するのが「白色脂肪細胞」です。単に脂肪細胞と言えば白色脂肪細胞を指すことがほとんどです。
普通、一般成人の場合、体重の15~30%が体脂肪で、数でいえば約300億個、太っている人の場合にはその2倍近くの白色脂肪細胞があると言われています。

褐色脂肪細胞はからだの特定部位にのみ存在しているのですが、白色脂肪細胞はからだのあちらこちらにあります。
皮下脂肪や内臓脂肪という言葉を皆さんもご存知ですよね。この白色脂肪細胞、多すぎると生活習慣病のリスクが増大します。
動脈硬化、高血圧、糖尿病、脳血管疾患、心臓病・・・ 白色脂肪細胞が「悪玉」と言われる所以です。

食べ過ぎでかんたんに大きくなる白色脂肪細胞

白色脂肪細胞は比較的容易に大きくなったり小さくなったりするのが特徴です。
通常白色脂肪細胞の内部には1個の中性脂肪の粒(脂肪滴と言います)があります。

白色脂肪細胞の中ではエネルギーが余れば中性脂肪がつくられ、エネルギーが不足すると中性脂肪が分解されるといった反応が起きています。
食べ過ぎのうえに運動不足が重なると中性脂肪が合成され、脂肪滴がどんどん膨らみ、白色脂肪細胞が肥大していきます。
その大きさは3~4倍になることも珍しくありません。太ったり痩せたりするのは、白色脂肪細胞のこのような性質によるわけです。

白色脂肪細胞は食べ過ぎでかんたんに大きくなる

白色脂肪細胞は大きさの限界を超えると増える

白色脂肪細胞は大きくなれるとはいっても限界はあります。
すでに限界の状態でさらに脂肪を蓄えなければならない状態になると、白色脂肪細胞は増殖します。
厄介な脂肪細胞の「数」が増えることになります。

白色脂肪細胞は先ほど説明した通り、サイズに関しては比較的簡単に大きくなったり小さくなったりしますが、増えてしまった細胞は中々無くなりません。
お酒の飲み過ぎで太ったお腹は、脂肪細胞のサイズの変化なので比較的簡単に痩せることができますが、中年女性の大きくなったお尻は中々小さくなりません。
これは大抵の場合脂肪細胞の数が増えてしまっているからです。

白色脂肪細胞が増えやすい3つの時期

食べ過ぎや運動不足が相まって白色脂肪細胞は増殖すると説明しました。
それとは別に白色脂肪細胞が増殖しやすい時期があります。人の一生のうちで、妊娠後期(8~10ヶ月目)の胎児期、乳児期、そして思春期です。
従来はこれらの時期に脂肪細胞が増殖し、それ以後は白色脂肪細胞の数は増えないとされてきました。
しかし今では成人後も白色脂肪細胞が増殖することがわかっています。

白色脂肪細胞は一度増えるとなかなか減らない

普通のからだの細胞は、身体の恒常性維持のために生死を繰り返しながらその数が調整されます。
ところが白色脂肪細胞はなかなか減りません。
つまり一度増えてしまった脂肪細胞を減らすことは至難の業なのです。
上記の3つの時期はもちろん、白色脂肪細胞が増えないように食事と運動不足には注意しなければいけません。

白色脂肪細胞にも重要な働きがある

白色脂肪細胞はエネルギーの貯蔵庫であり、必要な時にエネルギー源になるという大切な役割があります。
また体温維持や外側からの衝撃に対して内臓を守ることなど、身体の恒常性維持にも一役買っています。

脂肪細胞はさらに生理活性物質を分泌することでも知られています。
その代表がレプチンで、脳の満腹中枢に働きかけ、食欲をコントロールしたり、交感神経に働きかけ脂肪燃焼を促進することでエネルギー消費量を増大させたりします。
肥満防止物質とも考えられるのですが、脂肪細胞の数が増えすぎ、レプチンが過剰に分泌されるようになると、満腹中枢の反応が鈍くなり、食欲抑制の機能が低下します。
その結果また太るといった悪循環になってしまいますので要注意です。
なお女性の場合には女性ホルモンであるエストロゲンを分泌させるという大切な役割もあります。

このように白色脂肪細胞には重要な機能もありますので、少なすぎてもからだに悪影響を及ぼします。
体脂肪率が適度な数字になるように調節することが大切です。

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アドバイザー

高梨 泰彦

YASUHIKO TAKANASHI

株式会社ケッズトレーナー 企画室 室長

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株式会社ケッズトレーナー

株式会社ケッズトレーナーは、一般の方々や多くのスポーツ選手の皆さんに、種々の障害の緩和や機能改善・向上を目的として、様々な角度から施術を実施しています。一人ひとりの患者様と寄り添い、スポーツマッサージを通して安心・笑顔・元気をモットーに日本全国で活躍中です。

http://www.ks-trainer.co.jp/

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