前回は「ウォーミングアップって必要?」というお話をしました。今回は、ランの前に最低限やってほしいストレッチ10種類を紹介します。
10種類が多いか少ないかは人それぞれだと思いますが、立ったままで10分もかからずにできますので、ケガなくランニングを続けるためにもぜひウォーミングアップのときにやってみてください。
ウォーミングアップの代表「ストレッチ」には2種類ある
ケガや障害予防のためのウォーミングアップは欠かせませんが、その代表的な方法として「ストレッチ」があります。
ストレッチには、ラジオ体操のように反動をつけて筋肉を動かす「動的」ストレッチと、関節を曲げた状態で静止し、じっくりと筋肉を伸ばす「静的」ストレッチがあります。
関節の柔軟性を向上させるためにはどちらも有効な方法ですが、ここでは手軽に立ったままできる「静的」ストレッチを中心に、ランの前にやっておきたいベーシックなストレッチを10種類紹介します。
これだけはやってほしいストレッチ「ベーシック10」
今回ご紹介するストレッチ10種類を「ベーシック10」と名づけました。
この「ベーシック10」は、すべて立ったままできるのでランニングの際にぜひ取り入れてみてください。
それぞれのやり方をご紹介します。
なお、寒い日やからだが冷え切っているとき、朝の早い時などは、いきなり静的ストレッチを行ってはいけません。
部屋でからだを温めたり軽くランニングをしたりするなど、体温を高めてからストレッチをしましょう。もちろん温かい室内でストレッチをするのもOKです。
1.ふくらはぎ&アキレス腱のストレッチ(1)
・前脚に体重をのせる。
・後脚の膝を伸ばす。
・後脚の踵を浮かさないように努力する。
・背筋を伸ばす。
(腓腹筋・アキレス腱)
2.ふくらはぎ&アキレス腱のストレッチ(2)
・後脚に体重をのせる。
・後脚の膝を徐々に曲げていく。
・後脚の踵は地面から離さない。
・前脚は軽く膝を曲げてリラックス。
(ヒラメ筋、アキレス腱)
3.太ももの裏
・脚を前後に交差させる。
・後脚の膝を曲げないようにする。
・前脚の膝は後脚に添えるつもりで。
・状態をゆっくりと前に倒し、手を伸ばす。
(大腿二頭筋)
4.でん部&太もも
・四股を踏むように脚を開き、つま先は外側に向ける。
・手を膝のやや内側につき、肩を入れる。
・肩を入れた側の腕の肘はできるだけ伸ばす。
・肩入れ側の手で膝を外へと押し出す。
(股関節内転筋群・臀筋群)
5.太もも前側
・前脚を90度になるように曲げる。
・後脚をできるだけ後方にする。
・後脚の膝をやや曲げながら股関節を前後に広げるよう努力する。
・背筋を伸ばしながら体重をかける。
(内側広筋、外側広筋、中間広筋)
6.太もも前
・片側の脚を曲げ、上方へ引っ張り上げる。
・上げる脚のつま先を持つ。
・腰を曲げないように注意する(前かがみにならないように)
・バランスがとりづらい時には壁や電柱などにつかまってもよい。
(大腿四頭筋、特に直筋)
7.開脚(浅め)
・肩幅よりも広く脚を開く。
・両つま先はやや外側に向ける。
・片膝を軽く曲げながら、逆側の膝を伸ばす。
(内転筋群)
※伸脚側のつま先は上げても上げなくてもよい
8.開脚(深め)
・大きく脚を開く。
・両つま先は外側に向ける。
・片膝を深く曲げながら、逆側の膝を伸ばす。
(内転筋群)
※伸脚側のつま先を上げると伸脚後面のストレッチにもなる。
9.肩甲骨周り
・後ろで手を組む。
・肘を曲げないで、組んだ手を少しずつ背中から離していくように伸ばす。
・胸を張るように意識する。
(肩関節)
10.肩まわし
・脚をやや開き安定させる。
・肩を中心にリラックスしながら腕を大きく回す。
・内回し、外回しを交互に数回繰り返す。
(肩関節)
【その他】膝回し、腰回し、首回しなど
走る前には筋肉や関節の柔軟性を向上させておきましょう
「ラン」は運動です。路面を走るわけですから、からだには衝撃も受けますし、方向転換やとっさのジャンプなど、種々の障害物への対応動作も必要になります。
心配なのはそういった「とっさの動作」で起きるケガや、使い過ぎによる障害です。
走り始める前には傷害予防のためにもしっかりとからだを温め、筋肉や関節の柔軟性を向上させておきましょう。
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- 株式会社ケッズトレーナー
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http://www.ks-trainer.co.jp/
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