ブラボーランニング(8)もしもの時の応急手当 RICE(ライス)処置
2016.11.21ランニング中、突発的な身体的アクシデントに遭遇することはよくあります。
ちょっとした突起物にのることで足を捻ったり、ダッシュして軽い肉離れを起こしたり・・・。
そんな時はRICE(ライス)処置で応急手当をしましょう。
今回はそんなアクシデントの時に知っていると役に立つRICE(ライス)処置を紹介します。
スポーツによる傷害は「外傷」と「障害」の2種類
スポーツによる傷害は2種類に分けることができます。
1つ目はいわゆる「ケガ」です。足を捻ったり(捻挫)、太ももを肉離れしたり、転んでひざを強打したり(打撲)、ひどい場合には脱臼や骨折したりすることもあるでしょう。
このように「1回のアクシデント」で身体に大きな力が加わって生ずる傷害のことを「外傷」と言います。
もう一つは何度も同じ部位をくり返し使っているうちに、小さなストレスが断続的に加わることで起きます。その結果生じる炎症(膝痛、脛の痛み、足の甲の痛み、腰痛など)で、ランニング中にじわじわ痛み出すものです。
これを先ほどの「外傷」に対して「障害」と呼び、ひどくなるとじっとしていても痛むようになります。
覚えておこう!RICE(ライス)処置
傷害の応急処置は以下のように進めます。
- RICE(ライス)処置
- 1. 痛めた直後「安静」(Rest)にする。
2. 「冷却(アイシング)」(Icing)する。
3. 「圧迫」(Compression)する
4. 「挙上」(Elevation)する。
英語の頭文字をとって、「RICE」(ライス)処置と呼びます。
早期回復のためにも大切な手順ですので、ぜひ覚えておきましょう。
まずは安静を確保するRest
ランニング中に捻挫したとしましょう。当然痛くて走れなくなります。
まずは捻った足を使わないように、安全な場所まで移動しましょう。兎にも角にも患部の安静状態を確保することが大切です(Rest)。
また普段から痛みを感じている場所や気になる部位がある場合も、ラン終了後にはリラックスできる場所を探し、まずは腰を落ち着けましょう。
氷を使ったアイシング(Icing)で患部を冷却
リラックスできる場所を確保できたら、早速アイシング(Icing)を始めます。
捻挫などのケガをすると、患部が痛み腫れも生じます。いわゆる炎症が起きている状態です。
そのまま放置しておくとますます悪くなりダメージが蓄積、回復が遅くなります。
アイシングは患部を冷却することによって血管を収縮させ、流れる血液の量を制限します。
すると内出血を抑え、腫れもある程度緩和することができます。また一時的に神経を麻痺させ、痛みの軽減効果も期待できます。
アイシングは氷を使うのが一般的です。ビニール袋に氷を詰め、弾性包帯やテーピングテープを使って痛めた部位に巻いてやればOK。
冷やし過ぎによる凍傷の予防のために、氷と皮膚との間に1枚タオルをはさむのも良い方法です。
またアイシングに便利な「氷のう」も市販されています。
足のケガの場合(足首の捻挫など)には、バケツに水と氷を十分に入れ、その中に患部を浸してしまうのも効果的です。
保冷材を使用したアイシングパックも繰り返し使用できるメリットがありますが、温度が低すぎ凍傷の危険が付きまといます。
利用するときには必ずタオルなどを皮膚との間にはさみ、凍傷にならないように注意しましょう。
アイシングの具体的なやり方
四角い氷は平らに並べる。袋の空気をしっかり抜いて患部に固定
アイシングに必要な氷の準備について説明しましょう。
まずビニール袋に患部の大きさに合わせて氷を入れます。
水漏れしないようにビニールを二重にするのも良い方法です。クラッシュアイス(細かく砕かれた氷)があれば便利ですね。
冷蔵庫の氷のように氷が四角い場合には、丁寧に平らに並べましょう。氷を患部に当てやすくなりアイシングの効果が上がります。
ビニール袋の中の空気をできるだけ抜くように(空気があると患部に当てにくい)、吸い取るなどの工夫をしましょう。
出来上がった氷を患部に当て、弾性包帯などで患部に巻きつけ固定します。
簡単にできますので一度やってみてください。
コールドスプレーの効果は一時的なもの
捻挫や打撲、肉離れのときに、市販のコールドスプレーで済ませてしまうランナーを見かけることがあります。
しかし軽微なケガの場合以外ほとんど効果はありません。
コールドスプレーは瞬間的に冷却できますが、長続きせず、患部の温度はすぐに元に戻ってしまいます。
一時的なその場しのぎであることを覚えておきましょう。
アイシング時間の目安は、患部が無感覚になってからもう数分
アイシングにかける時間は患部の感覚を目安にするとわかりやすいです。アイシングを始めるとだいたい次のように感覚が変化します。
- アイシングを始めてからの感覚の変化
- ・冷たいと感じる。
・ジリジリした痛みを感じる。
・ピリピリと感じる。
・無感覚になる。
無感覚になったところでもう数分我慢しましょう。
個人差もありますがだいたいここまでで15~20分ぐらいです。からだの大きい人では30分ぐらいかかるかもしれません。
これで1ラウンド終了。ケガをした直後は20~30分ほど間をあけて、3回ぐらい繰り返すのがおすすめです。
アイシングと同時の圧迫(Compression )で腫れを予防
患部についてはアイシングと同時に圧迫(Compression )を心がけましょう。
弾性包帯などを使うことで圧迫を同時に行うことができます。
またバケツの氷水などを利用してアイシングをする場合には、患部にパッドなどを巻いた状態で浸すと良いでしょう。
ケガをしたときには(障害も同様)、痛みとともに腫れをともなうことが多いものです。
アイシングだけでも腫れの予防になりますが、同時に圧迫をすることでより腫れの進行を防ぐことになります。
患部を高く(Elevation)すると内出血予防に効果的
また安静時にはできるだけ患部を高く(Elevation)するように心がけましょう。
理想的には心臓よりも高く上げることで、内出血をより効果的に予防できます。
心臓よりも高く上げることが難しい場合でも、少しでも高い位置に固定し安静を保つようにしましょう。
タオルや毛布、まくらなどを重ねたり、低い椅子や台、丈夫な箱の上でも大丈夫。
患部を安定してのせることができるものなら何でもOKですから、「挙上」(Elevation)して安静、リラックスするようにしましょう。
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