有酸素運動でダイエットしたい!脂肪が燃える運動強度や心拍数って?

有酸素運動でダイエットしたい!脂肪が燃える運動強度や心拍数って?

最近ダイエットのために体を動かし始めました。
運動に自信がないため負担の少ない動きからはじめていますが、脂肪を燃焼するためにはどのくらいのハードさが必要なのでしょうか?
自分に適した運動強度や心拍数を知りたいです!

脂肪燃焼の仕組み

脂肪はどのように燃焼されるのでしょうか。それが分かれば脂肪をどんどん減らして痩せることができるのでは?

効率よく脂肪を減少させるために、まず私たちの体の中でどのようにして脂肪が燃やされるのかをお話ししましょう。

脂肪は一体何のために体内に蓄えられるのでしょう。

細胞膜やホルモンの構成成分であったり体温を保持するためだったり…

脂肪は人間の身体を構成し、スムーズに活動できるようにするための様々な役割を担っているのですが、中でもエネルギー貯蔵物質としての役割は大きいでしょう。
私たちは必要に応じて脂肪を分解してエネルギーを取り出し、活動しているのです。

まず脳からの指令でカテコールアミン(アドレナリンやノルアドレナリン)というホルモンが分泌され、脂肪分解酵素(リパーゼ)を活性化させます。

リパーゼは脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解し、それらを血液中に放出します。

脂肪が持っているエネルギーのほとんどを含む脂肪酸は、血流にのって身体中の各組織、細胞まで運び込まれます。

細胞内で脂肪酸はミトコンドリアによって酸化されてエネルギーを放出し、筋活動などに利用されるのです。
この脂肪酸を酸化する過程で大量の酸素を必要とするため、脂肪燃焼に有酸素運動が効果的と言われているのです。

グリセロールは脂肪の再合成や糖質が不足した際の糖新生などに利用されます。

特別な運動でなくとも、日常生活で脂肪はエネルギーとして利用されています。
しかし、必要量を超えるエネルギーが体内に取り込まれると、人間の身体はそれらを脂肪という形でため込んでしまいます。

これは人間に限らず動物全般に起こる反応で、飢えに備えた効率の良いシステムなのですが、現代社会では飢えを心配する必要のない人も多く、過剰な脂肪が体内に蓄積される方が増えてしまっています。

脂肪燃焼の仕組みを理解したうえで、効果的に体脂肪減少に取り組みましょう。

有酸素運動と無酸素運動のエネルギー消費の違い

ジョギングに代表される有酸素運動とウエイトトレーニングのような無酸素運動ではエネルギーの取り出し方が違います。

低強度、長時間の運動では有酸素性のエネルギー代謝が優位に行われ、脂肪酸をエネルギー源として利用される率が上がります。

それに対して高強度で短時間の運動には無酸素性エネルギー代謝(フォスファゲン系や解糖系と言われる代謝)が優位に立ち、主にグルコースをエネルギー源として利用します。

実際には筋トレのような無酸素運動と言われる運動でも、有酸素性のエネルギー代謝は行われますが、運動強度が上がれば上がるほど脂肪酸のエネルギー分解は低下することがわかっています。

運動そのもので脂肪を分解・燃焼させるのであれば有酸素運動が効果的なのはこういった理由からなのです。

脂肪燃焼に適した運動強度、心拍数の求め方

ではどれくらいのペース・強度で運動をするのが脂肪燃焼には効果的なのか。
厚生労働省の情報によると、脂肪酸の分解は最大酸素摂取量の65%の運動強度で最大になるとされています。

しかし、最大酸素摂取量はトレッドミルやエルゴメーターなどといった機器で測定するか、12分間走(クーパーテスト)の結果から計算して推定するしかありません。

さらにそうして求められた最大酸素摂取量の65%で運動ができているかどうか確認をしなければならないとなると測定機器を使って運動するしかありません。

あまりお手軽とはいいがたいですので、一般的には心拍数を目安に有酸素運動の強度を決めていくことが多いです。

目標心拍数の求め方

まず最大心拍数を計算します。実際の最大心拍数を計測することはとても難しいですので、年齢から計算して推定します。

最大心拍数=220-年齢

= 220 -

上の計算フォームに自分の年齢を入力すると、最大心拍数が計算できます。


そしてこの最大心拍数と安静時心拍数(これは安静時に数えてください)を利用して目標心拍数を導きます。(カルボーネン法)

目標心拍数=運動強度×(最大心拍数-安静時心拍数)+安静時心拍数

例えば35歳で安静時心拍数が70の方が運動強度65%で運動したい場合

×( )+ 安静時心拍数
70

この場合は1分間に145回くらいの心拍数を維持しながら運動すれば、最も脂肪を利用しますよ、ということになります。
上の計算フォームで自分の目標心拍数を計算してみてください。

この心拍数であれば多少余裕がある運動強度になる思いますので、運動しながら10秒間脈拍を測って6倍してもいいですし、最近は脈拍を簡易的に計測してくれる腕時計タイプの計測器などもほどほどのお値段で売っているようですので利用してみてもよいでしょう。

運動の継続時間、頻度

「有酸素運動は20分以上やらないと脂肪が燃えません」なんて話を聞いたことがありませんか?
これはおそらく運動をやり始めの20分ぐらいは、効率が良くすぐエネルギーを得られる糖質をエネルギー源として利用するから、という理屈によるものだと思います。

確かに最初はグリコーゲンの利用が行われるでしょうが、脂肪が一切使われないわけではなく、同時に脂肪も使われています。
その率が身体を運動になじませるまではやや少ない、という程度ですので、20分以上という時間にこだわる必要はありません。

もちろん消費カロリーは長時間やればやるほど上がる(ジョギングなどでは時間より距離が重要です)ので長時間できればよいのですが、あまりへとへとになりすぎても疲労の回復に時間がかかったり、怪我や故障のリスクが上がったりと良くないことが起こりますので、ある程度余力をもって終わるようにしましょう。

同様の理由で毎日やることもおすすめしません。1日か2日おき、疲れをためすぎないようにしながら継続的にトレーニングするほうが効果的です。
筋肉量や心肺機能などの運動能力によって個人差がありますので、まずは軽めに、様子を見ながら強度を上げていきましょう。

なによりも定期的に継続することが重要です。

運動初心者はウォーキングから始めよう

一定のペースで継続できるのであれば、どんな運動でも効果はあります。
よりダイエット効果を狙うのであれば、より大きな筋肉をより多く使う動きを取り入れることが重要になります。

そういったことを考慮して選ぶとすればジョギングやランニングが有効でしょう。
室内であればステップ運動などがおすすめです。

全くの運動初心者で筋肉量も少なく心肺機能にも自信がないという方はウォーキングから始めましょう。

上の方でやや専門的に強度やペースなどについて述べていますが、イメージとしては、「会話をしながら無理なく続けられるくらいの運動強度で、できるだけ長く運動しましょう。でもヘトヘトになる前にやめてくださいね」といった感じです。

最初は軽めのウォーキングで定期的に運動する習慣を身に着けましょう。

難しいことを考えるより、まずは続けることが大切なのです。

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