初マラソンでサブ4に挑戦!モビリティファーストの筋トレで可動域を広げよう【レッスン13】

モビリティファーストの筋トレで可動域を広げようの画像
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<準備期5>走れない日が続く年末年始をのりこえよう

モビリティファーストの筋トレで可動域を広げよう【レッスン13】

初マラソンでサブ4達成プロジェクト

「モビリティファースト」という言葉を知っていますか?
最初にモビリティ(可動性)を向上させ、その次にスタビリティ(安定性・固定性)を高めるという順番でトレーニングをすることで、スポーツに必要な体の土台を作るという考え方です。
モビリティとスタビリティが確保できたら、バランスやパワーなど競技に応じたトレーニングを加えていきます。

ランニングは「走る」という動作を行うスポーツです。
モビリティファーストの考え方にのっとり、はじめに走る時に動かす股関節と肩甲骨のモビリティ(可動性)を向上させる運動を紹介します。
その次に体幹を鍛えてスタビリティ(安定性)を高める筋力トレーニングを紹介します。

今回「モビリティファースト」の筋力トレーニングを教えてくれるのは、ケッズトレーナー立川店院長の町野走一コーチです。
広い場所がなくてもできる、室内でもやりやすいトレーニングを選んでくれました。

「モビリティファースト」でトレーニングを行う理由

これから6つのトレーニングを紹介します。

モビリティを向上させるトレーニング
1.股関節のモビリティ「レッグロワリング」
2.肩甲骨のモビリティ「ラットフライ」

体幹を安定させながらモビリティを向上させるトレーニング
3.体幹と胸椎・股関節のモビリティ「フロントブリッジのコンビネーション」
4.体幹と股関節のモビリティ「サイドブリッジのコンビネーション」
5.体幹と股関節・肩甲骨のモビリティ「スティッククランチ」
6.体幹と股関節・お尻のモビリティ「シングルレッグブリッジサシタル」

6種類全てのトレーニングが走る動きにつながっています。
なぜ走る動きにつながるのか、最後の仕上げとして行う6つ目のトレーニングから考えてみましょう。

走る時に軸足で地面をけり、反対側の足が高く上がった状態
走る時に軸足で地面をけり、反対側の足が高く上がった状態

このトレーニングは仰向けで行いますが、このトレーニングの姿勢で地面に立つと、走る時に軸足で地面をけり、反対側の足が高くあがった状態になります。
これはランニングのときの理想の足の使い方です。
ただし、股関節の可動域が狭いと地面をけった時に反対側の足を高くあげることができません。腕を肩甲骨からしっかり振れていないことも、足を高くあげることができない原因になります。

まず、1と2では関節の可動域を向上させるトレーニングを行います。
足を高くあげることができないと、地面を強くけることができません。また、体幹が安定していないと足を高くあげた時に姿勢が維持できません。
つまり、走っている時は体幹を安定させた状態で関節を動かす必要があります。
3~6でそのトレーニングを行います。

理想的な体の使い方ができるようになるために、可動域を広げることから始めるのがモビリティファーストです。

1. 股関節のモビリティを向上させるトレーニング

股関節のモビリティを向上させるトレーニングとして「レッグロワリング」を紹介します。
軸になるのは上にあげている足です。腰から90度の状態で固定することでハムストリングをストレッチします。
その状態で反対の足を動かすことで股関節がより大きく動き、股関節の可動域を広げます。

お手本を見せてくれたのはケッズトレーナー立川店 杉山トレーナーです。

1.仰向けに寝て、両手を45度に開く。手のひらを下に向けて強く床を押してお腹に力を入れる。

2.両足を腰から90度になるように持ちあげる。ヒザはのばし足首は90度に曲げる。

3.両足のヒザをのばしたまま、片方の足を床におろす。この時、あげている足が一緒にさがらないようにする。

4.2~3の動きを5回くりかえす。

反対の足も同様に行いましょう。
ももの付け根に効いた感じがある場合は、お腹の力が抜けてしまっています。手のひらでぐっと床を押して体幹に力を入れた状態をキープしましょう。

足をさげる時に軸足が動いたりヒザが曲がったりする場合はバスタオルを使いましょう。

写真のように、あげている足のつま先にバスタオルを引っ掛けて、両手でかるく手前にひっぱります。これで足をさげる時に、軸足が一緒にさがらないようにします。

ただしこの場合は、股関節の可動域を広げるよりも、軸足のハムストリングをストレッチする効果のほうが高くなります。
ハムストリングののびが良くなったらバスタオルを外してやってみてください。

2. 肩甲骨のモビリティを向上させるトレーニング

肩甲骨のモビリティを向上させるトレーニング「ラットフライ」を紹介します。
このトレーニングは直径20センチほどのエクササイズ用のボールを使います。内股に挟んで使います。
ボールがない場合はバスタオルやクッションで代用できます。なるべく丸めて厚みを出してください。ボールでもバスタオルでも効果は同じです。

ボールなどを足に挟む理由は、内ももの筋肉「内転筋」に力を入れるためです。
うつぶせでは体幹に力を入れたまま動くことが難しいのですが、内転筋と腹部の筋肉が連動していることを利用して、お腹に力を入れた状態でトレーニングできるようにします。

1.ボール(またはバスタオル)を太ももで挟んでうつぶせになる。両手は頭の上でのばして手のひらを下に向ける。

2. ボールを内ももでしっかりと挟んで、上半身を少し持ちあげ両手を外側に開く。両手が肩と平行になったら親指を上に向ける。

3.そのまま肩甲骨をぐっと寄せるようにして背中まで手を持っていく。

4.両手を元の位置に戻す。

5.2~4の動きを10回くりかえす。

3. 体幹を安定させながらモビリティを向上させるトレーニング(1)フロントブリッジ

フロントブリッジ3種のコンビネーションを紹介します
はじめは通常のフロントブリッジを行い、(2)(3)のトレーニングで関節を動かします。休憩をいれずに続けてやりましょう。
お腹の力が抜けると腰を痛めやすいので注意してください。

(1)フロントブリッジ

1.うつぶせで両ヒジを立て、つま先を肩幅に開く。体のラインが一直線になるように腰を持ちあげる。お腹がさがったりお尻を持ちあげすぎない。

2.この状態を20秒キープする。

(2)フロントブリッジ+股関節の屈曲

1.(1)フロントブリッジの姿勢から両ヒジをのばして手のひらを床につく。

2.みぞおちから体をひねるようにして、片方のヒザを斜め上に持ちあげる。このとき、お尻をあげないように注意する。

3.足を戻して反対側も同様に行う。左右1セットを10回くりかえす。

(3)フロントブリッジ+胸椎の回旋

1.(2)フロントブリッジ+股関節の屈曲の姿勢から、片方の手を反対側の脇の下に差し入れる

2.体を外側に開きながら腕を真上にあげる。骨盤は外に開かないようにする。このとき、お尻をあげないように注意する。

3.1と2を5回くりかえす。反対側も同様に行う。

4. 体幹を安定させながらモビリティを向上させるトレーニング(2)サイドブリッジ

サイドブリッジ3種のコンビネーションを紹介します
フロントブリッジと同じように、(2)(3)のトレーニングで関節を動かします。休憩をいれずに続けてやりましょう。

サイドブリッジでは、お腹にしっかりと力を入れ、腰を反るのではなく股関節を少し前に出すようにして姿勢をキープします。

(1)サイドブリッジ

1.ヒジをついて横向きに寝る。両ヒザを曲げて体を持ちあげる。腰が引けないように体のラインを一直線にする。

2.この状態を20秒キープする。

(2)サイドブリッジ+股関節の前後運動

1.(1)サイドブリッジの姿勢で、上の足が股関節から90度になるように前に出す。

2.上の足を元の位置に戻す。

3. 1と2を5回くりかえす。

(3)サイドブリッジ+股関節の回旋運動

1.(1)サイドブリッジの姿勢で、上の股関節を前に5回まわす。

2.後ろに5回まわす。


サイドブリッジは、(1)~(3)を反対側も行う。

5. 体幹を安定させながらモビリティを向上させるトレーニング(3)スティッククランチ

体幹を固定しながら股関節と肩甲骨を動かすスティッククランチを紹介します。
このトレーニングは腰幅より長い棒を使います。家庭ではバスタオルを使ってください。

1.仰向けに寝て頭の上に両手をあげて、バスタオルが緩まないように広めに持つ。足首は90度にする。

2.両手と両足を持ちあげてバスタオルの下から足を通す。このときバスタオルが緩まないようにする。

3.バスタオルが緩まないように持ったまま、手をお尻の後ろまで持っていく。

4.手を持ちあげて後ろ側からバスタオルに足を通す。このときもバスタオルが緩まないようにする。

5.1の状態に戻す。

6.1~5の動きを10回くりかえす。


できる人は、バスタオルに足を通す時にヒザをのばしたまま行ってください。より強度の高いトレーニングになります。

6. 体幹を安定させながらモビリティを向上させるトレーニング(4)シングルレッグブリッジサシタル

体幹を固定しながら股関節を動かし、加えてお尻の筋肉も使うシングルレッグブリッジサシタルを紹介します。

1.仰向けに寝てヒザを曲げ、かかとをお尻の近くに置く。

2.片足のヒザをのばして、腰から90度になるように持ちあげる。足首は90度にする。

3.お尻を上下に動かす。


繰り返しになりますが、まずモビリティ・可動域を広げて、次に体幹のスタビリティ・安定性、そして安定させた状態で関節を少し動かすという順でトレーニングを紹介しました。
家の中でもやりやすいようにタタミ1畳・ヨガマット1枚くらいのスペースでできるトレーニングを選んでいます。
慣れれば全てやっても20分程度で終わりますので、年末年始など走れない日のトレーニングとして1回2セット行ってみてください。

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アドバイザー

町野 走一

SOUICHI MACHINO

株式会社ケッズトレーナー 立川高松接骨院 院長

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アドバイザー

木村 世希

SEKI KIMURA

ケッズ鍼灸接骨院中野GENKI JYUKU RUNチーフ

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株式会社ケッズトレーナー

株式会社ケッズトレーナーは、一般の方々や多くのスポーツ選手の皆さんに、種々の障害の緩和や機能改善・向上を目的として、様々な角度から施術を実施しています。一人ひとりの患者様と寄り添い、スポーツマッサージを通して安心・笑顔・元気をモットーに日本全国で活躍中です。

http://www.ks-trainer.co.jp/

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