ブラボーランニング(14)ランナーのためのバランス食事法

ランナーのためのバランス食事法の画像
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ブラボーランニング(14)

ランナーのためのバランス食事法

目次

ダイエットから記録更新まで!

ランナーの記録に直接影響するのがスタミナ、専門用語を使うと有酸素能力と言います。
スタミナを左右する要因にはいろいろありますが、食事のしかたもその一つです。
また、基本的なからだづくりや傷害予防も、栄養の摂り方に大きな影響を受けます。
今回は記録向上を目的とした身体づくりとスタミナアップのための、普段の食事方法を説明します。

食事によるスタミナアップでランニングタイム向上!

ランニングタイムを向上させるためには、スタミナアップを図ることが直接的方法です。
そのためにはインターバルトレーニングとかLSDなど、多くのトレーニング方法が考えられます。
しかしそれと同様、いやそれ以上にバランスのとれた食事によるスタミナアップのためのからだづくりが重要です。

バランスのとれた地道な食事がスタミナアップの近道

ところでポパイのホウレン草のように、すぐにスタミナアップにつながるような魔法の食べ物はあるのでしょうか。
答えは「No」です。
バランスのとれた地道な食事を続けることが、スタミナアップのためには一番の近道です。
しかし実際にはレースが近づいて来たら糖質を多めに摂るようにするとか、トレーニングが多い時期には、からだづくりや消耗した筋肉の修復のためにしっかりとタンパク質を摂るなど、シーズンや体調に合わせた食事の工夫が必要になります。

ランナーが心がけるべき普段の食事とは

そうした短期的な食事の対応や栄養摂取の方法は改めて別な機会に譲るとして、今回はランナーが心がけるべき普段の食事について説明していきましょう。
「バランスの良い食事」という表現をよく聞きますが、この「バランス」とは何でしょうか。

5大栄養素をバランス良く食べる

いろいろな考え方がありますが、5大栄養素であるタンパク質・糖質・脂質・ミネラル・ビタミンをまんべんなく摂取できるような食事のことを「バランスの良い食事」と考えます。
ところがいざ実際に食事をしようとすると、5大栄養素の知識やそれらを含む食品を覚えたり量を調節したりしなければならず、専門家でもない普通のランナーは困ってしまいます。

【簡易版】5大栄養素のバランスがとれる食事方法

ただでさえ忙しいのに、栄養学を勉強する時間はもったいないですよね。
そこであまり難しいことを考えることなく、比較的簡単に5大栄養素のバランスがとれる食事の方法を説明しましょう。
キーポイントは「5品」です。

ランナーのための「バランスの良い食事」の具体例の画像

ポイントはどんな場合でも「5品」を意識

どんな場合でも「5品」を意識して食事をするようにしましょう。
「5品」とは次のことを言います。

1品目:主食

白いご飯やパン、パスタ、うどんなど。
主として糖質が中心。ランニングのためのエネルギー源になる。

2品目:主菜

メインのおかず。肉料理や魚料理など。
主としてタンパク質が中心で、ランニングのためのからだづくりや筋肉の修復に関係する。

3品目:サラダ

文字通り野菜が中心の一皿。
主としてビタミンやミネラルに関連するもの。ランナーにとってはからだの調子やコンディションを整えるのに役立つ。

4品目:乳製品

牛乳やヨーグルト、チーズなど。
タンパク質やミネラル、特にカルシウムを多く含んでおり、からだづくりや骨の強化に関係する。

5品目:副菜・果物など

自分の好みや時期(レース前、レース後、走り込みの時期など)に合わせた1品。
目的に合わせ、多めに摂りたい栄養素をこの1品で調節する。

忙しいときは3食プラスおやつの中で適宜加減する

特に重要なのは最初の「3品」、つまり主食、主菜、サラダです。
まず3品をそろえ、プラスして4品目の乳製品、5品目の副菜・果物を考えましょう。
朝食、昼食、夕食時には必ず最初の「3品」をそろえ、さらに2品を足すことができれば100点満点。
しかしたとえば朝食で5品目が難しい時にはランチで5品目を足すなど、適宜3食の中で加減しましょう。3食で難しい時にはおやつなどの間食を利用するのも良い方法です。
結果的に1日に4食や5食になってもかまいません。
このように常に5品(3品+2品)を意識すると自然と栄養バランスのとれた食事になっていきます。

ランナーのための「バランスの良い食事」の具体例

もう少し具体的に見ていきましょう。
例えば
(1)ご飯を炊いて(主食)
(2)お魚を焼き(主菜)
(3)トマトとレタスを切ってサラダを用意
さらに食後に
(4)ヨーグルト(乳製品)
(5)飲み物として果汁100%オレンジジュース(果物)
を摂ればこれで「5品」ですね。

ランナーのための「バランスの良い食事」の具体例の画像

外食が多いランナーは定食+乳製品がおすすめ

外食中心になるランナーの皆さんも多いのではないでしょうか。
好きなものばかり食べていると栄養が偏りスタミナもダウン、故障をしやすいからだになってしまいます。
外食に頼りがちな場合には、できるだけ定食を注文するようにしましょう。
定食を頼むと主食、主菜、サラダの3品は含まれています。4品目を含んでいることも多いですね。
そんなときにはさらに足らないものを追加するなどして5品にするようにしましょう。
たいていの場合「乳製品」が不足しがちです。
帰りにコンビニによって牛乳を買うのもよし、牛乳が苦手な人はヨーグルトやチーズを食べましょう。
また、朝に乳製品を食べてしまったときには昼はちょっとしたおかず(副菜)を1品加えるとか、果物を重ねるのも良い方法です。

牛丼なら主食・主菜はOK。サラダ・味噌汁とできれば牛乳をプラス

男性の中には牛丼などのチェーン店で食事をとる人も多いでしょう。
牛丼は主食(ご飯)と主菜(肉料理)が同時にセットになっています。
あとは3品目のサラダと乳製品、さらにもう1品食べることができれば100点満点です。
私の場合たいていは野菜サラダ(3品目)、納豆または味噌汁(4品目)を注文し、コンビニで牛乳(5品目)を買うことが多いです。

ファストフードは脂質の摂り過ぎが心配。3食の中でバランスを取ろう

若い方々の中には、マクドナルドなどファストフード店を利用する人が多いのではないでしょうか。
こうした場合、ハンバーガー(主食のパン+主菜のお肉)だけではランナーにとってカロリーも不足ですし、栄養も偏ります。
必ずサラダやそれに代わるもの(野菜ジュース)を追加し(3品目)、出来るだけチーズなどの乳製品をプラス、さらにがんばってもう1品を加えるようにしましょう。
セットを注文するとフライドポテトがついてきます。
試合前など糖質を多く摂りたい時にはいいのですが、揚げ物ですので脂質の摂り過ぎになることが心配。こうした場合は別な食事で脂質を抑えるようにし、全体でバランスをとるように心がけましょう。

ラーメンの場合は餃子で主菜・副菜をまとめてプラス

ラーメン店ではどうでしょうか。
ラーメンはもちろん「主食」で糖質が豊富です。五目ラーメンを頼むと3品目のサラダも含まれますし、チャーシューメンの場合には主菜(肉)も併せて食べられます。
しかし五目ラーメンの場合には主菜(肉や魚などのタンパク質)が、チャーシューメンの場合にはサラダが不足します。
そんなときには餃子などを追加注文すれば主菜も野菜(サラダ)も補充できます。必要に応じてもう1品注文すると良いでしょう。
また乳製品についてはコンビニでヨーグルトを買うなど臨機応変に考えたいものです。

【バランスのよい食事】ラーメンの場合は餃子で主菜・副菜をまとめてプラスの画像

定食は肉野菜定食がおすすめ。副菜でタンパク質か野菜を補充

定食で肉野菜炒めを注文すると、けっこうバランスがとれてしまうことも多いです。
しかしお店によって主菜(1品目、この場合はお肉)が少なめだったり、野菜が少なめだったりします。
できれば副菜の1品でタンパク質または野菜の補充をすると良いでしょう。
例えば冷奴を食べるとか、寒いときには豚汁、野菜が必要であればお惣菜などから選べばいいですね。
この場合も乳製品が欠落していますので、できれば牛乳かヨーグルト、チーズを買いましょう。

パスタやパンはタンパク質が不足しがち。さらにサラダも追加したい

パスタ派やパン派の皆さんは、1品目の主食は合格。しかし2品目の主菜、つまりタンパク質が不足気味。
もちろんミートスパゲティなどを注文すれば多少のタンパク質を摂れますが、それでもランナーには不足です。
またパスタセットにサラダがついていないときには、是非野菜類を追加しましょう。
もちろん乳製品も忘れないでくださいね。
さらに副菜を加えることができれば言うことなしですが、予算の問題もありますね・・・。

コンビニは実は「5品」をそろえやすい

一人暮らしや単身赴任の方々、職業がらとにかく忙しい皆さんはコンビニでお弁当やサンドイッチを買って済ませてしまう人も多いでしょう。
実はコンビニは「5品」をそろえやすく、ランナーにとって栄養をバランスよく摂るにはとても便利なところです。
「5品」を応用して賢く買い物をしましょう。

豊富なサラダやお惣菜があるコンビニは食事の質を上げやすい

例えば鮭のおにぎり(主食+ちょっと主菜)、海の幸サラダ(主菜+サラダ)、フルーツヨーグルト(乳製品+果物)、お惣菜(副菜)のように、単品ではなく複数にまたがる食品を選ぶと5品をそろえやすくバランスがよくなります。
ポイントになるのはサラダとお惣菜。最近のコンビニではいろいろな種類のサラダが置いてありますし、お惣菜も豊富です。
サンドイッチやおにぎりだけで終わるのではなく、サラダとお惣菜を加えることで格段に質の高い食事が実現できます。

コンビニのお弁当には野菜と乳製品をプラスするのがおすすめ

幕の内弁当や品数の多い弁当を買った場合には、それだけで栄養のバランスが取れることも多いのですが、やはり心配なのは野菜不足と乳製品。
できれば幕の内弁当を買った場合でも牛乳を足すとか、サラダを加えるといった工夫をしてほしいものです。

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アドバイザー

高梨 泰彦

YASUHIKO TAKANASHI

株式会社ケッズトレーナー 企画室 室長

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株式会社ケッズトレーナー

株式会社ケッズトレーナーは、一般の方々や多くのスポーツ選手の皆さんに、種々の障害の緩和や機能改善・向上を目的として、様々な角度から施術を実施しています。一人ひとりの患者様と寄り添い、スポーツマッサージを通して安心・笑顔・元気をモットーに日本全国で活躍中です。

http://www.ks-trainer.co.jp/

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